短ブック
□嘘つきな僕は卒業します
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※僕は早く大人になりたいの続編です。
「セレナ?眠れないのか?」
夜風に吹かれていると後ろからペンギンに声をかけられた。
「うん。ちょっとね・・・。」
「夜更かしはよくないぞ。」
「もう17歳だよ?子供じゃないんだから大丈夫。」
苦笑いで言えばペンギンはどこか辛そうな顔をした。
「・・・すまない。」
「なんでペンギンが謝るの?」
クスクス笑って言ってもペンギンはなおも辛そうな顔をする。
「セレナ。泣きたい時は泣けばいい。」
「っ何・・・言ってるの?」
「・・・泣けばいい。」
「っ!」
頭の後ろに手をまわされ、ぐいっとひかれる。
いきつく先はペンギンの胸。
なんでいつも・・・ペンギンは私の気持ちにいち早く気付いてくれるんだろう?
なんて優しいんだろう。