短ブック
□君のいないこの場所で
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『俺は必ず海賊王になる。』
うん。
知ってるよ。
それが小さい頃からの夢だったもんね。
幼馴染なんだからよく分かってるよ。
『だから・・・それまで待っていてくれ。』
・・・そうだよね。
私みたいな弱っちいのは連れて行けないよね。
『頼むから・・・泣かないでくれ・・・。』
泣く？
なにを言ってるのか分からないよ。
泣いてなんか・・・・。
『・・・セレナ、すまねぇ。』
ねぇ・・・なんでローが謝るの？
ローが謝ることなんて一つもないんだよ？
『必ず・・・海賊王になって帰ってくる。だから泣かないでくれ・・・。』
だから泣いてないって。
・・・・でも、そうだな。
泣かないでって言うローの方が泣きそうな顔をしてるから、胸が苦しいな。
「ロー・・・いってらっしゃい！海賊王になるまで帰ってこなくていいからね！」
これが最後じゃないんだから、そんなに力強く抱きしめなくても大丈夫だよ？
・・・・いってらっしゃい。
世界で一番愛しい人。