短ブック

□平行線をこえて
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「おはよ〜!」

「おはよう。」

今日も元気にあいさつをして教室に入ってくるセレナ。

朝からよくあんな大きな声が出るなと俺は毎回感心している。

低血圧な俺は普通ならうるさいと言って睨んでいただろう。

しかし俺はセレナにそれをした事がない。

いつも通り真っ直ぐに俺の隣の席に向かってくる。

「おはよう。ロー君。」

「ああ。」

いつも通りの短いあいさつ。

無愛想な態度なのにそれでも笑顔のセレナ。

こいつは変わってる。

こいつ以外の女共は俺に媚を売って、気に入られようとする。

胸糞悪い嘘くさい笑顔で。

だがセレナはどうだ。

こいつには媚の『こ』の字もない。

他の奴らと接する時と同じような態度で俺にも接してくる。

特別かわいいって訳でもねぇ、ましてや美人でもねぇ。

どこにでもいるような平凡な女だろう。
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