シリーズ☆

□一つ逃げた幸せはすでに腕の中
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久しぶりに深い眠りにつけたせいか、意識が浮上してきた時にイラつきはなく自然と目が覚めた

クルーが起こしにこないなんて珍しい

いつも開かれた扉から漏れる光は今日、見えないのだろう

かわりに見えるのは閉じられた暗い部屋の扉

「・・・・は?」

・・・・のはずだったのだが、今俺の目の前の光景はなんだ?

「・・・ガキ?」

スヤスヤと気持ちよさそうに眠るガキが一人、俺の目の前にいる

年はまだ5、6歳頃だろうか

まだ放心状態の俺にすり寄ってきてぎゅうっと抱き着いた後、ゆっくりと目を開けた

「・・・・ふ・・・・え?」








「・・・・という訳だ」

「「「「「何がという訳だ。ですかぁぁぁぁぁっ」」」」」

でけぇ声だすクルーを俺は一睨みする

当然のようにクルーは黙り、そして俺の足元にまとわりつくガキに視線がいく

その視線にガキはビクッと震えて俺のズボンを握りしめてメソメソ泣く

「うっ・・・ひぐっ・・・」

「チッ・・・おい、ペンギン。お前がこれ持っとけ」

そう言ってガキを持ち上げてペンギンの方にやればガキは大泣きした

「チッ、うるせぇ」

しかし元の位置に戻せば俺の足にしがみつき静かになった
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