☆誕生日&イベント

□織姫は檻の中
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「七夕って本当に呪わてるよね」

七夕に対して出た私の言葉はそんな捻くれたもの

まあ、仕方ない私は素直だからと言えば聞こえはいいだろう

うん、そうしよう

「なんだ、いきなり」

当然ローはその言葉に呆れたように返事をする

いつも通りの言葉

「だって七夕の日っていつも雨か曇りじゃん」

「ああ・・・そうだったか?」

こいつ七夕さえ気にしてなかった

少し位イベントに興味を示してくれればいいのに

「素敵な程に強い呪いだよね〜。1年に一回やっと会える日でさえ会わせてもらえないんだから」

「それのどこが素敵なのか分かんねぇな」

「私も分からない」

「なら言うな」

パコンッと新聞で叩かれた

手加減してるから痛くない

これが手加減なしだとあら不思議!

ローの手によって脳細胞100万個死滅どころか頭蓋骨が割れて脳が潰れちゃう!

・・・・冗談半分本気半分ってとこかな?

あ、想像したらグロテスクかつ怖い

よし中断中断もうやめよう

「でも、本当に呪われてる。そうまでして引き離したいのかね〜」

「・・・・さぁな」

やっぱり興味なさ気のローに頬を膨らませる

「ふ〜ん、あっそう」

はあ、つまんな〜い

ちょっと位くいついてくれたってかまわないじゃないか

おもしろくなさすぎる

「俺なら・・・」

「?」

おもむろに、小さいようではっきりとした声でローが言う

「俺なら、川が洪水になっていようが何だろうが会いに行ってやる」

「っ」

「まあ、離れさせられる前に監禁しておけばいい話だがな」


織姫は檻の中


「な・・・・」

「ん?」

「なんか、ロー・・・らしい、ね」

「ああ、そうだろ?彦星よりも画期的だ」

「そう・・・・だね?」

「疑問形じゃなく肯定しろ」

「うん、ロー」

「なんだ?」

「やっぱりローが好きだなって」

「ああ、俺も好きだ」

「捻くれ者のカップル?」

「くくく、そうだな。織姫と彦星にはなれなさそうなやつだな」

「なりたくないからいいや」

「くくっ、そうか」

END
 

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