☆誕生日&イベント

□最初と最後に映るは僕一人
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床中に広がる酒瓶や料理の残骸

しかし机の上にはまだまだ料理が残っているしみんな楽しそうに騒ぎ起きている

それもそのはずだ

今日は明日の朝まで宴会なのだから

いつもは夜中を過ぎる前にはほとんどみんなが甲板に酔いつぶれるが今日と明日は特別なのだ

「次の年まで5分をきったぞーーーっ!」

そう、今日は大晦日

そして明日は元日だ

この船でも例に漏れることなく宴会騒ぎだ

私達はそこから少し離れたところからそれを見ている

「ふぁぁぁぁっ」

「ククク、なんだ?眠いのか?」

あくびをするとローが笑いながら私の頭を自分の肩に引き寄せてきた

「うぬう?」

「どっちだ」

「眠くなぁいぃ」

「ハッ、嘘つけ。語尾がかなり伸びてるぞ」

周りからはバカにしているように聞こえるかもしれないけど私には優しくて愛しむようにしか聞こえない

「ねぇ、ローもう30秒きったってぇ」

「そうだなぁ」

「な〜に?その返事〜」

「クククッ、お前の話し方が一番『何?』だ」

「ごーー!」

ほら、聞こえてきたカウントダウンを合図にネタバラししようか

「う〜ん、眠いフリでもしてやろうかと思って」

「よーーんっ!」

「はぁっ?!」

目を大きく見開き私を見つめるローに私はニヤリ、と笑う

「さーーん!」

「おまっ・・・・どういうk「にーーーっ!」!?」

私は大きな声をあげてカウントダウンに参戦した

「いーーーちっ!」

そしてすばやくローの顔に自分の顔を近づける

「ぜろーーーっ!」

「っつ!」

「A HAPPY NEW YEAR!」


最初と最後に映るは僕一人


「っふ・・・・・」

「・・・・・お前は」

困ったように笑うローが愛しくて仕方ない

「何〜?」

「ニヤニヤすんな」

ほんの少し顔が赤いローにニヤニヤするなと言われてもせざる負えないだろう

「にひひ・・・・んむっ!」

塞ぐようなキスの向こうで新年を祝う声が聞こえるが、もう聞こえない

「今年も・・・去年以上に愛してやる」

その声以外、もう聞こえない

END
 

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