☆企画
□君に愛を、あいつに厄災を・・・・
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シリーズ『愛され少女の日常的非日常』の続編
ある島に停泊する事になったハートの海賊団
それに一番喜んでいるのは男たちではない
ハートの海賊団に転がり込んできた小さな少女、セレナだ
「ロー!はやくはやく!」
「ククク、そんなに引っ張るな」
ローの手をグイグイ引っ張るが、ローにとっては触られているだけのようなものだ
だが疎ましがる訳でもなく、しっかりと優しく手を握っている
体が少し前のめりになって背骨が痛いなどの言葉はない
残酷でおそれられるトラファルガー・ローがここまで甘やかすのはこの少女だけだ
「だってローがおそいんだもん!セレナ、きょー、すっごくたのしみだったんだもん!」
目を輝かせてローを見上げる瞳にローは苦笑いする
純真なその瞳はいつだってローを困らせる
しかし嫌なものではない
「ああ、昨日楽しみすぎて中々眠れなかったもんなぁ」
「うん!だからはやくいこっ!」
そしてまた手を引っ張りながら先を行くセレナにローはほんの少し優しい笑みを見せて歩みを少しはやめる
「おうっ!ローがちゃんとあるいた!」
「ああ?なんでそんなに珍しがる」
「ローはいっつもゆっくりあるいてるもん。だからめずらしぃの」
少女はローがいつも彼女の歩幅に合わせ、ゆっくりと歩いているのに気付いてはいない
もちろん、ローも気付かせるつもりがないようだが