お題ブック

□ため息
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「はああああああああっ」

盛大な溜息をついてやった

しかしながらそんなものに反応してくれないロー

唇を尖らせてすり寄ってみる

「・・・」

「・・・・」

反応なし

こうも本を読んでばかりだといつか本の登場人物にでもなりはしないかとありえない事を考える

つまらない事このうえない

「うん、本当に」

「・・・・・」

あれ、口を滑らしちゃった

思考がダダ漏れなんて嫌だわ〜!

おほほほほ〜・・・・・ほっ

「はああっ」

今度は少し短めの溜息

でも今の溜息の方が絶対に重たい

尚も構ってくれないロー

頬をふくらませ、無理矢理ローの腕に自分のそれを絡ませる

無反応

顔をぐりぐりと肩に押し付け、上を見る

やっぱり無反応

ぎゅううっと腕に力をこめる

何が何でも無反応

何が何でもの使い方が違うとか言う意義は受け付けない

むしろ受付窓はありませんので他をあたってください

まあそれはいいんだよ、それは

問題はこっち、どう考えてもこっち

手をローのきわどい所に・・・・は勇気がないから出来ない代わりにそろそろっと腕を撫でる

ぴくっと一瞬反応したがそこから無反応

さすがにちょっと泣きそうになってきた

「「はあ・・・」」

「!」

溜息が重なった!

私はローをしっかりと見つめる

ローは私に視線をうつさないままだが本をパタンッと閉じて置いた

ちょっとワクワクしながら私は見つめる

だけどいつまでたってもローはこちらに視線をよこさなかった

ぎゅうっとまた腕の力をこめる

爪を立てそうになってるのはご愛嬌、という事だ

「はあ、ミコト」

「!」

私は再び顔を輝かせローを見つめる

今度はローも私を見てくれている

それにまた嬉しくなって体をもっと密着させる

「誘ってんじゃねぇ」


ため息


「さっ!誘ってないよ!構ってほしいだけだよ!」

「てめぇの行動は誘ってるだけだろ」

「誘ってない誘ってない!」

「構ってほしいなら口で言え、ドアホ」

「ドッドアホ・・・・言うのが恥ずかしかったんだもん・・・・」

「・・・・・よし、構ってやろう」

「!本当?!」

「ああ、ベッドの中で十分にかわいがってやるよ」

「!?ちょ、まっ!そういう構ってじゃ!」

「遠慮するな、なあミコト」

「〜〜〜!だっ誰かああああああああ!」

「誘ったお前が悪い」

END
 

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