お題ブック

□浴衣
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私は腐ってもゾンビになっても女の子だ

ガサツで口が悪くて態度が悪くても女の子だ

女の子なのだからそりゃそれなりに乙女思考なところだってある

陸でお祭りがあれば行きたい

それは海賊だからとかじゃなくてもっと本質的なところ

女の子なのだから女の子らしく浴衣みたいなキラキラした格好をして行きたいのだ

それが、彼氏がいるのだったらなおさら・・・・

「ねえねえ、ロー」

「なんだ気色悪い」

「きしょ・・・・彼女にそれは失礼じゃない?」

「ああ?お前に彼女枠があったとしても女の扱いなんてしなくていいだろ」

あ、女の子扱い無視したかさいですか

そして彼女枠が『あったとしても』ってなんだコノヤロー!

彼女だよ、彼女!

胸を張っていってくれ!

「まあいいや・・・」

「?なんだ、今日はいやにあっさり引き下がるな」

「うん、ロー浴衣買って」

「買う訳ないd・・・・は?」

「買う訳ないだろ」、そう言おうとしたローは途中で言葉をとめた

そのうえ本に向けていた視線を私に向けるのだ

これでもかという位目を大きく開けて凝視してくる

「・・・・頭撃ったか。よし、今から診察s「違ああああう!」?」

え、何そのキョトーン顔

ものすごくかわいいんだけどその前の言葉にツッコミしなきゃ堪能できないわ!!

なんで私が浴衣着たいって言ったら頭撃ったってなる?!

いや・・・この船のクルー全員に聞いたら絶対みんなローと同じ反応するだろうな

ペンギンとベポだけは違うと思うけどね、フンッ

「お祭りあるんでしょ?今日。だからたまには浴衣着て行ってみたいなーって・・・・」

ローに凝視されたままでなんだか居たたまれなくなって目を逸らして唇を尖らす

数秒程の沈黙

それを破ったのはもちろん私ではなくロー

しかも溜息

「却下」

「!なんでよなんで!」

「却下は却下だ。祭りなんて行かなくてもいいだろ」

「〜〜〜〜!」

こうも理由もなしに却下と言われると頭にくる

しかも祭りに行くなと・・・・

私はほんの少し泣きそうになりながら大きな声で言うのだ

「じゃあいいもん!自分のお金で買うから!」

「そういう問題じゃねえ」

「いいもんいいもん!浴衣買う位のお金あるし?!ペンギン誘って行くからいいもん!」

それだけ言って踵をかえして扉に向かう

もうローなんて知らない!

ちゃっちゃと浴衣買ってペンギンとベポとシャチで行こう

「っ!」

「てめぇ・・・ざけんじゃねぇぞ」

開けようとした扉はガンッと大きな音を立てて閉められ、恐る恐る首だけ振り向けば声の通り怖い顔したロー

パッと扉の方を向く

だって怖いもん!!

でもそれがローの癇に障ったのかチッとしたうちをして無理矢理向き合う形にされる

「ペンギンと二人で行く?ふざけんじゃねえよ、てめぇ」

「いや、二人で行くとh「てめぇが誰のものか位は分かってんだろ?ああ?!」ろっローのものです!」

ひええええええ、怖い怖い怖いロー怖い

「分かってんじゃねぇか・・・・それなのにペンギンと行くって言ったのか?」

「だっ・・・・だってロー浴衣買ってくれないんでしょ?行っちゃダメなんでしょ?」

「だからってなんでペンギンと行くって発想になる」

「お祭り・・・・一人で行くなんて虚しいじゃん。他の人も誘うつもりだったし」

そう言えばローが「そうか」とか言いやがった

さっきも言おうとしたんだけどねえ!!

「じゃあ俺と行けばいいだろ」

「矛盾してるよ?ローが行かないって言ったんじゃん」

「ああ?そんな事言ったか?」

「言った」

「まあ、それはいい」

何自分の事棚に上げてるんだよ

それを言っても「口答えするのか?」とか「俺だからいい」とか言われるんだろうなぁ

「行くとしても浴衣は着るな」

「やだ!浴衣着ていきたい!」

「なんでそんなに浴衣にこだわる」

怖かった表情は今は和らいでるが呆れた目で見られた

私は目線をウロチョロと移動させて結果俯く

こうしたらローから顔を見られないから

「だっ・・・て・・・・ローと浴衣、デート・・・・したいんだもん・・・・・」

予想通り真っ赤になる顔たぶん隠せてるはず

でもこの羞恥心はどうも隠しようがなくソワソワする

「っ!」

いきなり顔を掴まれて目と目を合わされる

「なら最初からそう言え。他の奴と行ったら意味ねぇだろ」

「!う、うん!」


浴衣


「だが浴衣で行くのは却下だ」

「なんでよ!せっかくだから浴衣がいい!」

「はあ・・・・お前が浴衣着たら他の奴らにも見られるだろ」

「!!しっ・・・嫉妬?」

「うるせぇ、黙れ。黙んねぇと行かねぇぞ」

「やっやだ!行く行く!」

(チッ・・・ガラにもねぇ事言っちまった)

(ロッローが嫉妬!浴衣着てないけど浴衣マジック!!)

END
 

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