お題ブック

□擦り傷
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「ロー!はやくっ!」

「少し待て、ミコト」

「だめー!」

今日も久しぶりのお出かけだ

興奮せすにいられない

しかもローと二人っきりで出かけているのだ!

これを興奮しないで、普通にしていろとは酷なものだ

「ロー!早くって!」

「だから待てと言ってるだろ」

私の言葉に対してローは後ろでゆっくりと歩きながら溜息をつく

ゆっくりと言っても私が小走りしなければいけない位の速さだが

しかし今は私は走っているのでローの先にいる

「そんなに走るといつか転ぶだろ」

「大丈夫〜!」

ローの忠告も右から左、むしろ入ってない位だ

「っ!」

「おいっ!!」

ズベッと何もないところで滑って視界が回ったが最後

案の定というか、私はいきおいよく転んだ

受け身は一応とったが仰向けにズベッと・・・・

「・・・・ったい」

「ほら・・・言ってみろ・・・・」

「ロー・・・」

今だに仰向けに転ぶ私を斜め横から助け起こすロー

私は地面に座り込み、痛みを訴える膝を見る

「あ・・・・」

「チッ、血が出てやがる」

「わっちょっ!」

「大人しくしろ」

私の足を鷲掴み、マジマジと血の出る膝を見るロー

「・・・・はあ、一旦船に戻るぞ」

「え!やだやだっ」

「お前な・・・治療したら出かければいいだろ」

「でっでもこれ位大丈夫だよっ!擦り傷じゃん!」

「静かにしろ」

「・・・わっ」

いきなり抱き上げられて私はローの首に腕を回す

それに気をよくしたのかローは行きとは反対に軽く、浮足立つような足取りで船に戻っていく


擦り傷


「ロッロー・・・」

「なんだ?」

「えっと・・・本当に大丈夫だよ?」

「はあ・・・」

「??」

「お前に傷がついたらどうするんだ」

「・・・・・」

ローはとっても過保護だと今日、初めて気づきました

END
 

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