拍手ブック

□じゅうに
1ページ/2ページ

※現パロ

「はぁ・・・・・」

重い溜息をつきながらソファに倒れめば柔らかく衝撃を受け止めてくれる

さすが我が家のソファ

分かってらっしゃる〜なんて嬉しくなるね〜

うん、本当にはははは〜・・・・はぁ

本当に疲れた・・・・・・

なんでこんなに疲れるんだろう

仕事はうまくいってるのに・・・・

意味もなく泣きそうになるし

・・・・・情緒不安定ってところなのかなぁ

ぐりぐりとクッションに顔を押し付けてまた溜息をつく

「・・・・・・会いたい、なぁ」

言葉にすればズンッと重たくのしかかってすぐに行動にうつしたくなる

だがそれはダメだ

彼だって忙しいし疲れているのだ

こんな夜中に会いたいなんて言えばすぐに飛んできてくれるがものすごく申し訳ない

「ん・・・・?」

ふっと別のところにとばしていた意識が戻された

マナーモードにしておいた携帯がポケットの中で震えている

こんな時間に電話してくる奴は誰だよと少しばかり機嫌が下降する

体を起こして乱暴に携帯を開ける

「?!」

携帯に表示された『ロー』という名前に驚愕を浮かべながらすぐさま耳にあてる

「もしもし!!!ロー!?」

「くくく、夜中なのにずいぶん元気だなぁ」

低く普段よりも少し柔らかい声が耳をくすぐった

どこかいたずらっぽくてなんだか今の私がすごく恥ずかしかったのではと思う

「うう・・・・そう、かなぁ?」

「ああ、何かいいことでもあったのか?」

「いい・・・・こと、ねぇ・・・・」

いい事・・・・いい事・・・?

えっとなんだっけ?

さっきまで情緒不安定気味でどっちかっていうと落ち込んでいた

でも今ローは機嫌が良さそうだと言う

思う当たる節・・・・そんなものは一つしかない

「ロー」

「ん?」

「ローの声、聞けたからかな?」

「・・・・・は?」

「さっきまで機嫌下降してたけど、ローの声聞いたらなんか元気なっちゃった」

「・・・・・」

「へへへ、ローありがとう」

「・・・・・はぁぁぁぁ」

「?!」

お礼を言ったのになんでローは溜息をつくのだろう

わっ私変な事言ったかな????

「5分」

「?」

「5分でそっちに行く」

「えっ、ちょっ、まっ!?」

いきなりの発言に私は携帯を取り落としそうになる

「鍵は開けなくていい。合鍵で入る」

淡々と話を進めるローと違い私の頭は急な事で目が回りそうだ

「あ、あの、ロー?」

「ついたら・・・・」

「はい?」

「ついたら少しだけお前と話したい」

「へ?」

「最近忙しくてなかなか話せなかったからな、久しぶりにゆっくり話したい」

「ロッロー・・・・」

「その後は泊まらせてくれ。明日まで、一緒にいたい」


22時の訪問者


「うっうん!まっ待ってる!」

「くくく、いい子で待ってるんだぞ?」

それだけ言うと電話を切ったロー

私はしばらくこの胸に携帯を押し当て、胸一杯に広がるこの気持ちを溶かして飲み込んでいった

時計に目をやれば残り3分程

携帯を再びポケットの中に入れて玄関に向かう

外で待っていればローは駆け寄ってきて眉に皺をよせて文句jを言うだろう

けれどそれよりもはやく抱きついてこう言おう

「大好き」って

END
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ