短ブック
□ヘッドフォン共有範囲は二人分
2ページ/3ページ
やっぱり不思議でならない
先程の静寂が嘘のような教室
ザワザワとうるさい中、トラファルガー君のまわりだけまるで音が切り取られたように思う
「ねぇ、トラファルガー君」
斜め後ろから声をかけてみればトラファルガー君がこちらを向いた
「・・・何だ?」
ああ・・・やっぱり心地いいな、この声
「どうしてなの?」
「・・・・は?」
「どうして?」
「・・・主語を付けろ」
分かる質問も分かんねぇだろという彼
そっか、そうだよね
「どうしてトラファルガー君の声はうるさくないの?」
「それは俺の声が好きということか?」
ちょっと驚いたような顔のトラファルガー君
珍しいね、いつもは無表情かイラだたしそうにしてるのに
「さぁ?分かんない、私はただ心地いいと思ってるだけだから。」
「じゃあ周りの音が雑音に聞こえるのか?」
私は首を一つ縦に振る
「・・・・ふ〜ん」
私の隣の席の子の机に肘をついて顔を乗せてる
もちろん、隣の席の子はここにいないよ
「な〜に?何かおかしいこと言った?」