短ブック

□ヘッドフォン共有範囲は二人分
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やっぱり不思議でならない

先程の静寂が嘘のような教室

ザワザワとうるさい中、トラファルガー君のまわりだけまるで音が切り取られたように思う

「ねぇ、トラファルガー君」

斜め後ろから声をかけてみればトラファルガー君がこちらを向いた

「・・・何だ?」

ああ・・・やっぱり心地いいな、この声

「どうしてなの?」

「・・・・は?」

「どうして?」

「・・・主語を付けろ」

分かる質問も分かんねぇだろという彼

そっか、そうだよね

「どうしてトラファルガー君の声はうるさくないの?」

「それは俺の声が好きということか?」

ちょっと驚いたような顔のトラファルガー君

珍しいね、いつもは無表情かイラだたしそうにしてるのに

「さぁ?分かんない、私はただ心地いいと思ってるだけだから。」

「じゃあ周りの音が雑音に聞こえるのか?」

私は首を一つ縦に振る

「・・・・ふ〜ん」

私の隣の席の子の机に肘をついて顔を乗せてる

もちろん、隣の席の子はここにいないよ

「な〜に?何かおかしいこと言った?」
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