ペンギンブック
□足りないものは君だった
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あれから探したけど全く見つからなかった。
バンダナにも、ベポにも船長にもみんなにも聞いたのに。
あ・・・・でも1人だけ聞いてないや。
私はその姿を探す。
「あ!!」
今、角の先に見えた赤いポンポン。
私は全速力で駆けて行き、その後ろ姿に飛びつく。
「!!!!」
「ペンギン!いたっ!」
顔をあげて、笑顔で言う。
足りないものを見つけた。
ペンギンの姿を見つけて、飛びついて、その驚いたような顔を見れて、胸がホッコリした。
足りないものは君だった
「セレナか。いきなりどうしたんだ?」
「むぅ・・・わかってる癖に。」
「フッ・・・そうだな。『俺が居なくてもの足りない』・・・・か?」
「うん!そう!捕まえたんだからご褒美!」
「いつから鬼ごっこになったんだ。」
そうやって苦笑いで言うけど、結局はちゃんとご褒美くれるんでしょ?
ほら、少しずつ顔が近づいてくる。
END