バクマン。

□変わり者
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お父さんに勝手に仕事を決められた後、あたしはすぐに、雄二郎さんに連れて行かれた

「それじゃ、奈緒ちゃん、すぐで悪いんだけどこれから、新妻くんの所に行って貰うよ」
「分かりました」
「あ!後、新妻くんは少し変わり者だから」
「はあ…」

(新妻エイジ、か…)

CROW(クロー)毎週読んでいるけど、どんな人物から分からない
期待と好奇心が高まる

ガチャ

「新妻くん来たよ」

玄関を入ってすぐの扉を開くと、スエット姿の…

(男の子よね?)

「雄二郎さん、いらしゃいでーす。あれ、誰ですその人?」
「彼女は君の家政婦さんだよ」
「えぇ?もしかして、彼が新妻エイジ!」
「そうです!僕が新妻エイジです」

とぼけた顔で敬礼をする彼

まさか、こんな奴があんな凄い漫画を描いてたなんて…

(別にショックって訳じゃないけど)

「あっ、私、佐々木奈緒です。今日からよろしくお願いします」
「佐々木…、どっかで聞いた事があるような…」
「そりゃそうでしょ、編集長の苗字なんだから。それに奈緒ちゃんは編集長の娘さん」
「アンビリーバボー!編集長の娘さんですか!」
「その事は、別に気にしないでくださいね。私、そうゆうの嫌いなんで…」
「ラジャーです!」

(本当に変な人…、けど、こうゆう雰囲気嫌いじゃない)

それから、雄二郎さんに彼の、一日のスケジュールを教えて貰った

AM8:00朝食→PM12:00昼食→PM8:00に夕食
この間々で掃除や洗濯、買い物などをする

「大変だろうけどよろしくね」
「はい。あっ、後、新妻さんはアレルギーとかありますか?」
「多分ないです。でもピーマンが嫌いです!」
「好き嫌いしちゃ、行けません!」
「…、奈緒さん、お母さんみたいです!」


(しまった!)
昔から友達にも言われていたのに…

「えーと、じゃ、じゃあ、好きな料理はなんですか?」
「オムライスです!!」

この答えに、あたしは少し笑ってしまった

「どうしたですか?」
「いや、新妻さんって可愛い所あるなぁ、と思って」「?」

それから、あたしは台所などこれから使う場所を教えて貰った

「あの、生活用品無さ過ぎでしょ!よくこんなので生活できましたね…」
「だから、奈緒ちゃんを雇ったんだよ。新妻くんは1人じゃあ生活出来ないから…」
「なるほど、それじゃあ雄二郎さん行きましょうか!」
「え?どこに?」
「何言ってるんですか、買い物ですよ!買わないといけない物は沢山あるんですから!それじゃあ、新妻さんちょっと出てきますね」
「いってらしゃいです!」

それから、雄二郎さんをいろんな所に連れ回して、買い物を終わらせた
帰宅後、雄二郎さんは編集部に帰り、あたしは掃除、洗濯、料理とこなしていった

「新妻さーん、夕飯出来ましたよ」

あたしは今日買って来た、折り畳み式のテーブルを出し、夕飯を運んだ

「おー!!オムライスじゃあないですか!」
「好きだって言ってたから作ってみました。スープもありますよ」

食事は二人分作って一緒に食べていいと言われている

「いただきまーす!」
「どうぞ」
「はっむ」
「どうですか?」
「う〜ん、デリシャス!!おいしいです!」
「良かった」

一安心し、あたしもオムライスを食べる

(それにしても、こんなに笑顔で食べてくれるなんて)

自然と笑みがこぼれる

「奈緒さんはよく笑いますね」
「えっ、そうですか?」 「はい!家事している時ずっと笑顔でしたよ」
「本当ですか!?」

さすがにこれには驚いた

(あたし、そんなに笑ってたんだ…)

確かに家事は嫌いじゃない、むしろ好きだ
しかし、まさか笑顔でやっていたなんて、知らなかった…

「所で、奈緒さんはいくつですか?」
「え、私ですか?19歳ですよ」
「アンビリーバボー!僕と同い年ですか!」
「えっ、本当!?」

あまりにビックリして、つい敬語を使うのを忘れてしまった

「奈緒さん、無理して敬語を使う必要ないです。それに同い年なんでしから」
「えっ、でも…、仕事ですし、それに新妻さんだって敬語じゃあないですか!」
「あっ、そうですね!」
「でしょ!」

あっ!っと思ったあたしに、彼は勝ち誇った笑顔を向けた
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