アルファルド
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大きな巨体は土方達の前へ立ちはだかった。
「…コ、ロ……セ、…コ…ロ、セ…」
『喋ってる…』
梨乃は刀を握り直しながら呟いた。
「当たり前だ、元は“人間”なのだから。人語を理解し言葉を発することができる。
さァ、罪のない“人間”を、君たちは殺せるのかな?」
クツクツと不気味に笑う橘。
「イカレてやがる…!」
ギリッと歯を食いしばる土方は橘を睨む。
そんな土方の姿を見て橘は口を開く。
「私の事を睨んでいていいのかな?」
「な、ッ!!」
そう言った瞬間、合成獣の強靭な腕が振り上げられ、土方の脇腹に入る。
「カッ、ハ…!!」
土方はそのまま10メートル程飛ばされた。
「トシ!!」
『…ッ!』
飛ばされた土方を見て、梨乃は合成獣に向かい走り出した。
「梨乃さん、よせ!」
近藤が制止する言葉も聞かず、刀を振り上げる梨乃。
「合成獣よ、その女を捕らえろ」