アルファルド

□08
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『退院祝い…?』





休憩中、梨乃は縁側に座って煙草を吹かしながら隣に立つ近藤を見上げる。







「そう!まだしてなかっただろう?それに、結局梨乃さんの歓迎会もしてなかったし」




ニカッと笑顔を向ける近藤。









『…前にも言ったけど、あたしそういうのいらないんだけど』



それだけ言うとまた煙草を口に銜え煙を吸い込む。








その言葉を聞いて近藤はガクリと肩を落とした。












しばらくして梨乃はフゥーと煙を吐き出し、空にゆらゆらと煙が逃げる。
















































































『…まぁ別にいいけど』



「ほ、本当か!?」




肩を落としていた近藤が梨乃の顔を見た。

















「じゃあ今日の6時からするから、それまで大広間には来ちゃだめだぞ〜!準備があるから!」




それだけ言うと近藤は走って行ってしまった。









梨乃は近藤の後ろ姿を見ながら、再び煙草を銜え空を見上げるのだった。

































































































































そして約束の6時―――







梨乃は一人、大広間へと向かった。








襖に手をかけ、ゆっくりと開ける。






























































パパンッ!パンッ!





『・・・・』






クラッカーの音が響いたと同時に、飛んできた紙テープが梨乃の頭にかかる。




















「「「「「梨乃ちゃん、真選組へようこそ!そして退院おめでと〜!」」」」」














梨乃が頭についた紙テープを取りながら正面を見ると、“歓迎&おかえり 八鍬梨乃さん”と横断幕がぶら下がっていた。







辺りを見回すと隅々まで丁寧に飾り付けがされている。















「ささ、主役は正面へ!」



近藤は梨乃の背を押し正面へ座らせ、その隣に腰かける。






















「よォォォし、野郎共ォ!今夜は梨乃さんの歓迎会兼退院祝いだァァァ!だからと言って羽目外しすぎんよーに!


梨乃さん、何か一言!」




『…別にない』




「…はい!という訳で乾杯!!」




「「「「「かんぱ〜い!!」」」」」







近藤の適当な司会により、宴会が開始した。





















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