アルファルド

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梨乃が連れ去られた事件から3日後、退院した梨乃が真選組屯所へ戻ってきた。




まだ腫れの引かない左目には眼帯がされている。

















局長室―――



「梨乃さん、退院おめでとう!」



近藤の言葉に梨乃は軽く会釈をする。




「傷が治るまでは警ら隊の仕事は良いから、トシの書類整理とか手伝ってあげて」



梨乃は視線を落としたまま無言でいる。





しばらくして、梨乃は口を開いた。






『…頼みがあるの』


























































次の日の早朝5時。


土方は朝稽古の為道場へ向かった。






道場にはすでに隊士たちが素振りなどをして汗を流していた。








その中に近藤と沖田と話す梨乃の姿があった。














「テメェ、こんな所で何やってんだ」



梨乃は土方の声に気付き振り向いた。






『何って、見て分からない?朝稽古しにきたの』



「ハァ!?」



「トシ、梨乃さんは今回の件があって自ら志願したんだよ」



『自分の身くらい、自分で守ろうと思って』






長い髪を高い位置で一つに結びながら梨乃は言った。





「剣術は俺が教えまさァ」



「トシは簡単な護身術や体術を教えてやってくれ。俺は隊士たちの稽古を見るから」




「あ、あぁ」



その後、土方と沖田が話し合った結果、1週間ごとに交互に教えることになった。








「やるからには弱音吐くなよ。女だからって容赦しねェ」




『誰に言ってんの?あんたこそ、女だからって手加減しないでよね』

































































































その日から毎日、梨乃は怠けることなく真剣に土方や沖田から剣術や武術を学んだ。








そして相変わらず無愛想ではあるが、少しずつ隊士たちにも心を許せるようになってきたのだった。



















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