アルファルド

□04
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梨乃が真選組に入隊して2週間が経過した。






相変わらず誰とも関わろうとしない梨乃。








その冷たく近寄りがたい雰囲気を隊士たちも感じとっているようだ。









今日も梨乃は一人食堂で昼食を取っていた。


















































「ここ、いいですかィ」



梨乃が目線を上げるとそこには沖田が立っていた。







手に持つお盆には今日の昼食の親子丼が乗っていた。





梨乃の返事を待たず目の前に座る沖田。











「やっと飯食えまさァ。土方と市中見回りほど嫌な仕事はありやせんね」



『・・・・』



「面倒くさいんで途中で撒いてやりました」



『・・・・』



「今日みたいな天気がいい日に仕事なんかやってられませんねィ」



『・・・・』










沖田がそこまで言ったところで梨乃は席を立ち、食べ終わったお盆を持って無言で去ろうとした。






そこへ沖田が梨乃の手首を掴む。




















『…なに』




「あんた仕事の時以外全然喋んねェですねィ。俺たちとも関わろうとしねェ」




『必要ないから。手、離してくれる?』





その言葉を聞き沖田が掴む手を緩めた。










梨乃は沖田に背を向け返却口にお盆を返すとそのまま食堂を後にした。



























「…必要ない、か」




沖田は丼を手に口の掻き込んだ。























































「クソッ、総悟の奴途中でどっか行きやがって…」



ぶつぶつと文句を言いながら見回りから帰ってきた土方。



自室の戸を開けると梨乃が机に向かい書類整理をしていた。










土方も隣に座ると書類に目を通し始める。




















































『…終わったから』



「おう。今日はもう上がれ」



梨乃は立ち上がり戸を開けた。





外はすでに陽が沈みかけていた。















「今日はちゃんと飯食ったのか?」




『…あんたには関係ないでしょ』




「あァ、関係ねェ。でもなァそれで身体壊してぶっ倒れでもしたら迷惑だからな」




『余計なお世話よ。前にも言ったけど、仕事以外であたしに干渉するな』








それだけ言うと土方の方を見もせず、戸を閉めた。


























「…相変わらず愛想のねェ奴」











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