アルファルド

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『…意味分かんない』




ムスッとした表情でパトカーの運転席に乗る梨乃。



着物では動きにくいため、つなぎに着替えた。






「雇ってやんだから、文句言うな」





そう言いながら土方は助手席に乗りシートベルトをする。








そうしているうちに無線が入る。



≪只今天人が乗ったバイクはかぶき町内を逃走中!かぶき町付近のパトカーは応援を頼む!≫









「準備、良いか」



『いつでも』



「よし、出動」





合図と共に梨乃はアクセルを踏み込み、急発進した。



























































一方、かぶき町内では過激なカーレースが行われていた。






「ギャハハハ!!遅ェ、遅ェぞ!地球にはもっと骨のあるやつはいねェのかァ!?」






高笑いをしているライオンのような風貌の天人。

ハンドルを握っている手は、ハンドルと同化していた。










天人が交差点に差し掛かろうとしたとき、梨乃が運転する車が右から出てきた。






天人は急ブレーキをしてハンドルを切る。







「見つけたぞ!追え!」



『言われなくても分かってる』



梨乃もハンドルを切り天人の後ろについた。






「何台来ようが無駄だァ!!ヒャッホウ!!」




天人はまた来た道を引き換えし逃走する。













梨乃はギアチェンジし、スピードを上げた。














何度も右折、左折を繰り返す天人に顔色一つ変えずに着いていく梨乃。





距離は徐々に縮まっていく。










そしてついに天人が運転するバイクの右につき、思い切りハンドルを切った。





「グワッ!!」






パトカーの車体が、天人の運転するバイクに大きな衝撃を与えバイク諸共横転、停車した。







パトカーを止め、降りた土方は天人に駆け寄り手錠をかけた。





「密入国及び危険運転過失致死の容疑で逮捕だ」




「チッ…!」







土方のあとに梨乃もパトカーを降りてきた。




「…ハッ、どんな奴が俺を追い詰めたのかと思えば人間の女かよ」




『…あのスピードであたしに勝てると思ってんの?』











土方は天人をパトカーに乗せ、再び発進した。








































「いや〜、お手柄だったな!なんでもあの天人は自分の国でも指名手配犯だったそうだ」



そう言って近藤は豪快に笑う。





『そんなことより、仕事の件は?』



向かい合った梨乃は冷静に問う。





「そのことだが…


実は考えたんだが、あなたを女中にしておくのは勿体無い!









































よって本日より、真選組警ら隊隊長に任命する!」










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