アルファルド

□02
1ページ/4ページ










様々な検査を終え、異常なしと診断された梨乃は退院することを許された。






検査を終え病室へ行くと、そこには山崎と土方の姿があった。






「よう、また会ったな」


『…なに』





あからさまに嫌な顔をする梨乃。







そこへ山崎が口を開く。


「君のこと、調べさせてもらったんだ。でも、全然情報が出てこなくて」



「今一度事情聴取をさせてもらう。屯所に同行願おうか」




『・・・・』



梨乃が黙っていると、山崎がスッと何かを差し出した。








「所持品、あの赤い服とヘルメットしかなかったみたいだから、着る服ないだろうと思って持って来たんだ。
悪いけどとりあえず今はこれ着て。」









梨乃は渡された服をジッと見つめる。







「それじゃあ俺たちは外で待ってるから着たら声かけてね」


山崎はそれだけ言うと土方と共に病室を出て行った。













































『…これ、着物?』




































































「…遅ェな」


「仕方ないですよ、女の子は支度に時間がかかるもんですから」





土方は腕を組み壁を背にもたれかかる。


2人がそんな会話をしていると、病室のドアがガラリと開いた。








梨乃の姿を見て土方と山崎はその美しさに息を飲んだ。





ドアの前には、藤色の着物を身にまとい、髪をサイドに流している梨乃の姿があった。













「…す、すごい似合ってるよー!思わず見とれちゃった!ね、副長」



「…っ!支度が済んだなら行くぞ!」






土方は顔を背け足早に出口へと向かった。







「じゃあ行こっか」





ニコリと梨乃に微笑む山崎。




数歩後ろを梨乃が歩く。




























外に出ると入口前に一台のパトカーが止まっていた。



すでに助手席には土方が乗っていた。









運転席に山崎、後ろ座席に梨乃が乗り、パトカーは病院を後にした。












次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ