アルファルド
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『!!』
合成獣は橘の言葉を聞き、両手で梨乃の体を掴んだ。
『…ッ!離せ!』
橘の前に梨乃を差し出すと、橘は梨乃の髪を鷲掴みにし、引きずり下ろした。
『い…ッ!』
橘はそのまま梨乃を地面に押さえつけ、顔を上げさせた。
「あなたは良い容姿をしている。良い“実験材料”になりそうだ」
『…ッ!』
「「梨乃さん!」」
「…じ、さん…土方さん!」
「…、ッ!」
一方、土方は弾き飛ばされた場所で気を失っており山崎が介抱していた。
「大丈夫ですか、土方さん!」
「ッ、あの野郎…!」
ペッと口から血の塊を吐き出す。
今の一撃で肋骨を何本かやられていた。
「土方さん、梨乃さんが大変なんです!」
「何…!?」
目線を上げると、その先には橘に捕らわれている梨乃の姿が見えた。
「クソッ…!」
土方は立ち上がり、痛む体を引きずって皆の元へ急いだ。