氷菓

□奉太郎の屈託
1ページ/1ページ


「屈託」とは。

ある一つのことばかりが気にかかって他のことが手につかないこと。くよくよすること




*




「私、気になります!」

そう言ってあいつは俺の省エネ主義をことごとく破壊する。

「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」

それがモットーの俺。

だが、千反田えるの存在により、俺が変わりつつある。

と、里志は言っていた。

そんな事はない。

…いや、そうかもしれん。


「氷菓」の件からなんだか俺は変なのだ。


あの時の千反田の涙、あの時から俺は千反田の事ばかり考えている。

あいつはなんなのだろうか。
こんな疑問はあいつにとっては失礼かもしれんが…。

カンヤ祭の料理対決の時、なぜ俺はあんな行動にでたのか…?

小麦粉が手元にあったからといっても、俺はあんな行動にはでなかったはずだ。

前までは、の話だが。

あぁ、里志の言った通り、俺は変わってしまったのだろうか…。


千反田える。

お前は俺にとっての最大の屈託かもしれん。







2012.8.8
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ