現代

□想いを想フ
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「石田!」


何時からだろうか。
この男が私に纏わり付くようになったのは、


右目に眼帯
そしていつも謎めいた笑みを浮かべる男
独眼竜と呼ばれている伊達政宗。


物好きな男だ


ただでさえクラスでも浮いていると自覚さえしている自分に声を掛けるなど。


しかし三成は聞こえない振り、
…というよりあからさまに無視をした。



「stop!一緒に帰ろうぜ」

「何故だ」

「石田が好きだから?」



まるで当たり前だとでもいうように政宗は三成の机に手を置いた。



「私は貴様など好いていない」

「つれねぇな」



去れ、と冷たく放つと
まるで心外だ、と肩眉を吊り上げた

心外なのはこっちの方だ。

ここ数日、ずっと政宗に付き纏われているのだから




「…貴様何の真似だ」

「what?」

「誰の真似をしている」

「……んだ、気付いてたのか」



馴れ馴れしく話しかけてきたり
無駄に肌に触れてきたり


知っている、
この感覚はよく知っている。


私が気付かないとでも思ったのか、と心の中で毒づきながら
キッと政宗を睨みつけた



「そういう目も好きだぜ」

「死ね」



自分の口が悪い事など承知している



「んなに家康がいいか?」

「なっ……」

「最近あんま一緒に居るとこ見ないしな」

「…何が言いたい」

「三成」

「や、めろ……私の名を呼ぶな!!」



声を上げて勢いよく立ち上がると、
ガタンッ!と椅子が大きな音を立てて倒れた



「わざと距離とってるだろ?家康と」

「貴様には関係ない!!」



図星だ。

見てしまったのだ
私だけに見せる笑みで、元親と一緒に居た家康を。


あれは私だけの、特別なモノだとおもっていたのに


自分だけの、家康だと信じて疑わなかったのに












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