短編
□不器用なくらいが
3ページ/8ページ
猿もついていながら何故止めぬ…と無言で諌めると、
佐助も困ったように肩を竦めた。
見る限り、一応は止めたのであろう。
「さぁ石田殿!」
「…だから要らんと言っている」
「俺様の力作なんだから一口でも食べてみてよー」
…戦忍が何故だんごを作っている、という刑部の疑問は、佐助のだんごは絶品故!という幸村の声に掻き消された。
懸命に串を持って三成に差し出すが、三成は刑部の後ろに隠れたまま、出てこようとしない
完っ全に警戒されている
三成のことだ、特にこれといって食べたくない、という理由はないだろうが、
強情な三成の事だ、
そんな性格からムキになっているだけだろう。