記念
□HAPPYBIRTHDAY!!
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『神宮寺さん!』
レ「……これは?」
『今日はバレンタインなのでチョコレートをつくってみました!』
へへへとにやける彼女。一応レンから告白してOKをもらったのだが、そんなことがあったのかなかったのか……魅也はレンを彼氏扱いしたりしない。
『皆さんにも配ってきますね』
レ「……ああ」
ほらねとレンは心で呟く。
彼女はいつも誰にでも平等だ。近づく距離も話す言葉数もすべて。
レ「そろそろ特別を見せてくれてもいいのに」
ト「何を気持ちの悪いことを言ってるんですか」
トキヤの声がレンにだけ響くように聞こえる。
レ「心外だな。気持ち悪いだなんて」
ト「彼女に誕生日だっていうことを言ってないんですか?」
レ「……トッキーにしては冴えてるね」
ト「余計なお世話です」
そしてトキヤは腕を組ながらレンを若干鼻で笑う。
ト「まず、そんな小さなことを気にする器でしたか」
レ「レディのことになるとどうしてもね」
ト「お互いに付き合っていることはわかっているんでしょう」
レ「……それは当たり前だろ。さっきから何をいってるんだい?イッチーがそんなに回りくどく言うだなんて、余程のことなんだね」
若干卑屈になりつつあるレンにトキヤはため息をつく。
少し遠くで音也たちにチョコレートを手渡している彼女を無意識に視線で追いかけるレン。
ト「彼女の誕生日だったらどうします?」
レ「忘れたりしないし、まず知らないことはないだろうね。レディに知られないようにして一気にサプライズをして、最高のプレゼントを用意して……」
ト「気持ち悪いですね」