short

□雪
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雪が降っている。

都会じゃ積もりもしない雪。どうせ、地面に堕ちて消えるだけ。
気温の何気無く、儚く。それでいて残酷な水の運命。

何気無く、俺の名前を呼んで、起こって、阿呆みたいな会話して、笑って、触れて、幸せだと思っていた。


たまに見せる笑顔が儚くて、俺を見ていて見ていない。他の誰かを、俺に写して見ていたあの笑顔。
男か、女か、年上なのか年下なのか、血縁関係者なのか、他人なのか。
知る由もなく、知ることもできなかった。


そして突然居なくなって、俺のとこに届いた知らせは

「優姫が、亡くなった」

「…は?」

呆気にとられたのを覚えている。
嘘だろ、何で、まだ成人してないんだぞ。
ふつふつと沸き起こる怒り。知らせに来た奴はゴーグルの奥で泣いていた。
泣いている奴に怒鳴り散らすほど、出来た男じゃない。
只々、呆然と立ち尽くし、目の前の男泣きをボーッと見ていた。

ああ、コイツも好きだったんだっけ。

っていうことは、俺もあいつが好きだったのか。

思考回路がぷつりと途切れた。




優姫 が し ん だ 









嗚呼、なんて残酷で、儚く、何気無く、


美しいんだろう











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