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□磯の香り
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今日、綱海さんに海に連行された。暑いの嫌なのに連行された。水着持たされた。

「見とけよ優姫!!俺を!」
「はいはい、見てますよ。」
「行くぜヒャッホーウ!!」

相変わらずハイテンションだ。
彼氏彼女になってはや2年。も慣れたっちゃぁ慣れたけど、唐突なお出かけはなれないもんだ。

こっそり水着に着替えて浅瀬に座り、半分海に浸かった城を作った。力作。
ザパァ、と音がして、綱海さんが帰ってきたことをお知らせする。

「おっ、着替えたのか。」
「暑いんですもん」
「相変わらずお前白いなー。米みてぇ。」
「米!?おかしいでしょそれ!」
「じょーだんだよ。なぁ見てたか?」

綱海さんはジトーっと私のお城を見た。ごめんなさいと謝ると、綱海さんは浜にサーフボードをさしてぐるんとこっちを見た。
手をバッと広げて走ってきた。なにこれ怖い。

ぎゃぁぁぁと悲鳴を上げながら海に飛び込んで綱海さんから逃げる。
だがあっさり捕まる。
後ろからお腹に腕を回され、首筋にキスを落とされる。

「見てろって言ったじゃねぇかー。」
「夏なんて毎日見てるじゃないですか。」
「毎日見てもらいてーの。」
「女の子みたいですねー」
「このやろう」


海でいちゃいちゃするのも悪くないと思ったある夏の日。



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