pure

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空港を降りて、なぜかわからないけど目隠しされたまま綱海さんに背負われる。

「なにしてうぷっ…すか」
「こうしてれば、きっと気持ち悪いのと海への想いが分かち合えるだろ?」
「その必要ないと思いますが…不安要素を二つにしてしまうようなものでは…」
「そんなこたぁ海の広さ…海か…」
「なにたそがれてんですか。」


空港を出ると、THA・サッカーみたいなオブジェが迎える。その周りには各国のチーム旗がはためいていた。

「綱海さん、下ろしてください。」
「やだ」
「なんでそんな…」
「俺が不安だから」
「えー…じゃあ一緒に歩いてあげますから。とりあえず下ろしてください。」
「…分かったよ」


一緒に海を渡ってきたイナズマキャラバンに乗り込み、隣に座る。やっと落ち着いたのか、綱海さんは興味津々で街を眺めていた。

「南の島って感じですね。」
「なんかどっかの国に似てるよな。風景が。」
「あ、それってスペインじゃありませんか?」
「え……」

目金さんが意気揚々とスペインとライオコット島の事を説明しだす。スペインの風景ってこんなの?見たことある。どこかで。
心臓が痛くなった。


「だ、大丈夫か?まだ気持ちわりぃとか…?」
「大丈夫です…」

お父さん、スペイン…
こことは関係ないはず。


「ですが、ここはイタリアエリアですね。少し外観が似ているのはその昔スペインがイタリアを支配して…」
「つまんねぇな。」
「ですね」
「二人して!!」

少し気分を紛らわそうと、窓の外を見る。イタリアのチームが練習をしていた。

「古株さん、止めてください!」

円堂さんがそう指示すると、イナズマキャラバンは路肩に停った。

そして皆で練習を見る。あの人、イタリアのフィディオ・アルデナさんだっけ。白いなんちゃらの。

フィディオさんは私と目が合うと、ボールを止めて指でパーンしてきた。

「え"」
「え?」
「黒田、知り合いか?」
「情報収集させてもらっただけですよ…あ、私に向かってやったんじゃないでしょ!冬花とか秋ちゃんとか春菜ちゃんですよ!きっと!ね?行きましょう古株さん!」


強制出発させ、とりあえずその場を逃げ切ることができた。


「誰ですか?キャプテン、今の白い…」
「…史上最強のサッカープレーヤーの娘。あの子が今度は史上最強のプレーヤーだよ。」
「彼女ですか?」
「うん。そう。」
「へぇー!あのチーム日本でしょ?遠距離恋愛ってすごいですねー!」
「まぁね。さて、練習の続きだ!」
「「はい!」」



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