pure

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「ハァ…」

ついに来てしまった。魔の空港に。

乗り物酔いが激しい私は、飛行機なんて大嫌いだった。
生まれて一度も乗ったことがないけど、直感的に分かる。

椅子に座って項垂れていると、隣に私と同じような境遇の綱海さんが座った。

「………」
「………」

もう喋る気にもならない。二人で並んで項垂れる。ハァ。

「「…ハァ」」

「全員集合だ。これより出発する」

「ですって、綱海さん。」
「ああ。行くか。」
「ですね」

だらだらとメンバーについて行く。

そして飛行機に乗り込む。この通路、もしかすると異次元につながっているんじゃないかってくらい嫌いだ。直感的に。

真ん中のシートに、私、綱海さん、立向居くんの順番で座る

とりあえず現実逃避する準備は万端だ。

「黒田先輩、なんで目隠しなんか…」
「見てはならんのだよ立向居くん。」
「(なんか可愛い…)」

飛行機が滑走路を走り出し、浮上する。

「うわぁやばいやばいやばいやばいいぃぃいい」
「ひ、ひ、ひぃぃいい」
「二人とも落ち着いてください!」



どんどん上に上がってゆく。次第に顔色が悪くなる飛行機恐怖症の二人。
目隠ししたまま気絶寸前の私。隣でがたがた震えている綱海さん。笑いをこらえるマネージャーと立向居くん。

「うえっ、気持ちワル…」
「俺を海に帰してくれぇぇぇぇ!!!」



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