pure

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生と死の狭間なんて往き来しない。意識がぼんやりなんてしない。
麻酔効いてなかったらどれだけ痛いんだろう。

埋まっている銃弾が2発取り出され、縫い合わされてゆく脚首。

手術が終わり、先生がマスクを外して手袋を捨ててから私の横へ立った。

「手術は成功だ。だが今後サッカーは諦めろ。アキレス腱を神経をやられていた。」

どこか、豪炎寺さんに似たこの人。助手の人が“豪炎寺先生”と呼ぶまで豪炎寺さんのお父さんだとは確信できなかった。

「個室に運んでやりなさい。」
「はい」
「黒田さん、君はもう二度と走れなくなる可能性がある」

豪炎寺先生が部屋を出ようとしたとき、私は起き上がった。

「先生」
「……!起き上がってはいけないだろう!」
「大丈夫です。…先生は、そんなにサッカーが嫌いなんですか」

豪炎寺先生は、無言で私を見つめ、それから部屋を去った。

看護婦さんに寝かされ、個室まで運ばれた。



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