pure

□24
1ページ/3ページ



―ほら見て、太陽が沈んでく

―この瞬間の空の色が、お母さんは好きなの。

―しろの目と一緒だね



夢を、見た。

綺麗な女の人が、私の隣で空を見つめている。
前にも夢であったことがある。この人は

「お母さん」

呼んでも、彼女は振り向かない。返事もしてくれない。
私もお母さんと一緒に空を見上げる。本当に綺麗な空。次第に暗くなって、辺りは私とお母さんがぼんやり写っているだけ。

綺麗な黒髪を靡かせ、やっと顔を下ろして私を見た。

そっくりって、こういうことを言うんだろうか…。

髪の長さと色意外、殆ど同じ顔の、おかあさんが、私を見た。
私よりすこし年上の風貌。

「しろ」

おかあさんは私に近づき、頬に右手をそっと添えた。
すると、おかあさんは光に包まれた。
パッ、と辺が明るくなる。


「もう泣いちゃダメ。“ワタシ”は強い子だから」

そう言っていたずらっぽく笑った顔は、私自身で、そのまま明るくなり、目が覚めた。




.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]