―ほら見て、太陽が沈んでく ―この瞬間の空の色が、お母さんは好きなの。 ―しろの目と一緒だね 夢を、見た。 綺麗な女の人が、私の隣で空を見つめている。 前にも夢であったことがある。この人は 「お母さん」 呼んでも、彼女は振り向かない。返事もしてくれない。 私もお母さんと一緒に空を見上げる。本当に綺麗な空。次第に暗くなって、辺りは私とお母さんがぼんやり写っているだけ。 綺麗な黒髪を靡かせ、やっと顔を下ろして私を見た。 そっくりって、こういうことを言うんだろうか…。 髪の長さと色意外、殆ど同じ顔の、おかあさんが、私を見た。 私よりすこし年上の風貌。 「しろ」 おかあさんは私に近づき、頬に右手をそっと添えた。 すると、おかあさんは光に包まれた。 パッ、と辺が明るくなる。 「もう泣いちゃダメ。“ワタシ”は強い子だから」 そう言っていたずらっぽく笑った顔は、私自身で、そのまま明るくなり、目が覚めた。 . |