pure

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しばらく歩くと、長い階段が目の前に現れた。まるで天まで届きそうなほど長い階段。

「すごーい!なんだか、そのまま空へ行けそうですね」
「ああ。登れるか?」
「大丈夫ですよー!体力なんて腐るほどありますから!」
「そうだったな。転ぶなよ」
「大丈夫ですって!…!」

しろは強がって階段を登り出したが、後ろにいた飛鷹に右手を掴まれて立ち止まった。

「暗いだろう。何かあったら監督に殺されかねねぇからな。」

飛鷹はそのまましろの手を繋ぐと、階段を登り始めた。

「飛鷹さんも転ばないでくださいね!」
「大丈夫だ。俺が転んだらお前を守れなくなるからな。」
「とっ…」

しろは感動と侠気に、顔を真っ赤にして飛鷹さぁん!!と叫んだ。うるさい、と小突かれた。

「飛鷹さんってすごく頼りになりそうですよね」
「なりそう?頼りになってやるぞ?」
「飛鷹さぁん!!」
「だから…いちいちそんな顔しないでくれ。俺が持たないから。」
「え?」

俗に言う、恍惚の表情だ。その顔で名前を連呼されれば男なら誰だってその気になるだろう。
それに今、飛鷹としろは手を繋いで歩いているわけで、飛鷹は人一倍理性を抑えていた。


「長いですねー、階段」
「ああ。ひっくり返ったら御陀仏だな」
「物騒なこと言わないでくださいよ。」
「後ろ見てみろよ。高いぞ」
「脅さないでくださいよ。高いところは好きですよ。」
「なんだ。……しろには弱点ってものがないのか?」
「ありません。」
「即登か。じゃあ俺が当ててやる」
「だからありませんって…」
「虫だろ」
「やめてくださいまし!」
「やっぱりな。」

いつもはサッカーで男より活躍しているしろだが、虫嫌いというスペックが携わっているだけで可愛らしく思えた飛鷹。手をぎゅっと握った。


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