pure

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とりあえず家帰り、ウィッグを外す。ブーツは結構痛かった。
ハァー、と長い溜め息をついてさっさとジャージに着替えて家を出た。
来週にでも自転車買おうかな。
とぼとぼと合宿所へ向かった。




合宿所へ帰り、心の中でただいま、と言う。上靴に履き替えて部屋へ戻ろうとした。

「しろ!!」
「うわぁっ!飛鷹さん!?」

飛鷹さんは後ろから私に抱きついてきた。一体何事だ、と思って気絶しそうになる。
するとバッと体の向きを強制的に変えられ、向き合う形になり、肩を強く掴まれた。

「お前、今日唐須に会ったのか!」
「いえ、会ってませんよ、」
「本当か?」
「はい…」

まぁ梨本帝として会ったけども。

飛鷹さんはハァ、と溜め息をついて手を放した。

「今日、唐須に会った。」
「大丈夫でしたか?」
「ああ。でも唐須がお前は自分の言いなりになっているなんて言ったから心配になって。」
「飛鷹さん…」

イケメンに心配されるなんて、なんて幸運なんだろう自分。

「私は大丈夫です。あんな訳の分からない人の言いなりに何かなりませんよ。」
「…そうか、よかった」
「それに」
「…?」
「今は皆さんがいます。もう私は独りじゃないので。何かあっても、きっと円堂さんや皆がなんとかしてくれます。」

そう言って笑ってみせた。



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