翌日のことであった。 いつも全員集合してから練習が始まるが、いくら呼んでも出てこない人が居てそれどころじゃない。 私は先にグラウンドで不動さんと練習をしていた。 「なんかさー。お前女じゃない気がするんだよな。」 「バレましたかー。実は男なんです」 「嘘付け。なんかよ、胸は無いし女っていう雰囲気無いし…大丈夫かお前」 「失礼な。Dはありますよ」 そう言ってボールをパスすると、不動さんは受け取らずに固まり、私を哀れむような目で見た。 「…なんすかその目は!」 「いや、だってありえねぇだろ」 「サッカーやるときは胸潰してるんですー。これ以上おっぱいトーク広げるつもりでしたら明王っぱいって呼びますからね」 「死ね!」 不動さんはそう言って思いっきり私にシュートしました。 「不動さんだって、男じゃない気がしますよ」 「失礼だろ」 「不動さんもですがね。」 「るせぇ」 「私、男に混じってサッカーやってるくせに男の人は苦手で、だけど不動さんには妙な親近感湧くんですよ。」 「そりゃありがとさん。お前に男として見られたらもう吐くしかねぇわ」 「失礼な!!」 強いて言うなら兄弟見てぇなもんだろ、と不動さんが呟いた。そして「お前は弟だな」と付け加えた。 私女ですよ。明王っぱい そんなこんなで説得が終わったのか、やる気もりもりの壁山くんがグラウンドに現れた。 . |