pure

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「あれ、冬花…?」
「虎丸くん、大丈夫だった?」
「はは、見てたの?」
「うん。何か、虎丸くんといてもしろが年下に思えちゃう。」
「失礼な子ね、全く。」
「はい、着替え」
「ありがとう。」

シャワー室に一緒に向かい、シャワーを浴びてからジャージに着替えた。

「しろって結構おっぱいあるよね」
「何言ってるの冬花ちゃん」
「言ってみただけ。」
「変態め!」

いつも楽しそうに私と話してるけど、時折見せる表情が切なくて苦しかった。

「マネージャーってご飯作ったりするの?」
「うん。たまにお手伝いさせてもらうことがあって、その時はちょっとだけ料理してるよ」
「大変だね、マネージャーも。」
「しろの方が大変そうだな。」

ちょっと笑いながら冬花が言う。なんで、と聞くと、お父さんの話聞いてる時が一番辛そうだ。って言われた。確かに一番辛いわ。

「しろ晩ご飯部屋でよかったよね?」
「うん、よろしく。」
「データ収集頑張ってね。」
「はーい」

冬花が食事を運んでくれるので、その間もアジア各国のチームのデータを集める。受験勉強みたいでちょっとワクワクしている自分がいる。受験来年だな…

コンコン

「どうぞー」
「邪魔するよ」
「…たしか、基山さんですね」
「やぁ。ちょっと話がしたいなぁ、って。」
「どうぞ、座ってください」

突然訪問され、ワクワクする。一気に友達が増えるような気がしてならなかった。
基山さんをベッドに座らせ、私もその横へ座る。

「お話とは?」
「ああ、前から思ってたんだけど、」
「はい」
「あの必殺技、実は僕もやったことがあるんだ。」
「あの、ピンクのやつですか?」

首をかしげると笑われた。何がおかしいんですか!というとさらに笑われた。

「面白いねしろちゃん」

う、嘘だろ…!!イケメンにチャン付されたぞ!?と、赤くなる。

「そんなことありませんよ…それより、基山さんもやったことがあるってどういうことですか?」

うん、と彼は頷く。
話によると、元エイリア学園生徒で、全盛期に優秀な生徒だけがその必殺技のテストを受けたが誰も技の威力に耐えられずに習得できなかった、ということだった。

「それを今しろちゃんがやってるって気付いて、心配になったんだ。」
「そうなんですか…私の体は心配ありませんよ。」
「ほんと?無理はしないでね。女の子なんだから」

それ源田さんにも言われた気がする。まぁ案の定顔は真っ赤。基山さんに笑われる。

「あの、」
「ん?」
「あの必殺技、なんていう名前なんですか?」
「んー…メテオクラッシュ?」
「今考えませんでした?」
「うん。」
「でもいい名前ですね。頂戴します」
「よかった。……そうだ、作業中だったでしょ、俺もう帰るから続けてよ」
「あ、はい。おやすみなさい」
「おやすみ」

キラースマイルをぶっぱなして基山さんは部屋から出ていった。顔が真っ赤だ。あー恥ずかしかった!

入れ替わるように冬花が食事を持ってきてくれた。

「さっきの、基山くんだよね?」
「うん。必殺技についてお話してもらった。」
「よかったね、はい晩ご飯」
「ありがとう。片付けるのは私がやるよ。遅くなりそうだから」
「うん、無理しないでね」
「うん、ありがとう」

デスクの上からノートパソコンを移動し、そこで晩ご飯を食べた。今日は白身魚ですな。
デスクの前は窓で、グラウンドが見える。グラウンドを見ながら晩ご飯を食べるのも悪くありませんな。


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