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□3.校庭の真ん中で
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最近やっと出番が来たのか、皆構ってくれない。ボケ独りじゃ漫才は成り立たないのだよデザーム様。
とぼとぼ廊下を歩いていると、目の前からやたら色黒のアホツンツンが向かってきた。

「治さんの彼女だからって調子に乗るなよ」
「年下が調子に乗るなよー。」

ぽんぽんと頭を撫でると真っ赤になって照れる。カワイーナー、と言って俯いて歩き出す。すると腕を掴まれたから振り向いてあげた。
言っちゃ悪いが、いつもとは別人のような男らしい顔をしていた

「どうしたんだよ」
「心配してくれてる?」
「いいから答えろよ…」
「皆出番があって私はハブで、さみしーなーって。どうせガキンチョですよ。」

自分で言って照れちゃったので含羞む。ゼルは地黒の顔を赤くして目を丸くした。私も鈍くないので、コイツ照れてるwwとニヤけた
するとポン、と頭に手を乗せられた。

「俺が居るから。」
「…ありがとう隆一郎…」
「あ、デザーム様に言うなよ。ぼこられるから」

ぼこられるような事なんだろうか、と考えているすきに、ゼルはじゃあな、と走っていってしまった。マセガキめ。恥ずかしい。
ちょっと赤くなりながら廊下をずんずん進む。一番嫌いな人に会う。もうコイツ人間じゃねぇ。仏だ。

「ああ、よかった、ユウ、ちょっと来なさい」
「なんでしょう(むはははははははははははははh消えろぉぉおおおお仏教の力で天に召されてしまえぇぇぇぇええ)」

私は廊下の端に連れてこられた。何かカツアゲみたい。

「最近、というか…昔から思っていましたが、最近ユウが私の計画の邪魔をしようとしているんですが。」
「私に言われても困りますね。研崎さんとかに相談してはいかがでしょうか」
「あなたに言えば治るかと思いましたが残念ですね。次の試合、イプシロンの代わりに出させてあげましょう。ただし、その試合が最後だと思ってください。それ以降あなたには監禁部屋に入ってもらいます。」
「まー予想はしておりましたが、まさか試合に出させてもらうとは思いませんでした。」
「指定した身なりで臨んでください。それができなければ試合にも出しませんよ。」

腐れ大仏は最後に良いですね、と言ってその場を去った。なーんだ、それだけか、と溜め息をついた。
そして再び歩き出す。どうせデザーム様のところにも既に連絡が回っているんだろうな。皆、私達の晴れ姿を見に来てくれるかなー?
いーともー!はは、悲しー。
スキップしながら廊下を行くと、今度は後ろから抱き締められた。

「!」
「優姫、今の…」
「うん。監禁されるんだってー。私にはエイリア学園向いてないっぽいし、あの大仏も私を支配できないっぽいから、これでいいんだなーって。」
「お前…そんなんでいいのかよ!何で反抗しねぇんだよ!」
「ふふ、じゃあ隆一郎は反抗した?」

笑うと、ゼルは悔しそうに私の肩に顔を埋める。鼻をすする。泣いている。
他のチームのキャプテンが居なくなることくらいで、泣いちゃダメでしょ。とゼルに向かい合って笑う。マジ泣きしないでくださいよ。

「こまったなー…」
「あえなくなるんだぞ!一生監禁されんだぞ!良いのかよ!!」
「良いよ。私は。皆がそこから出してくれる…って」

信じてるから。
ゼルは泣き止んで私をキョトンと見た。腕の中から脱出して歩き出す。
これでいいのだ。ぼんぼんばかぼんばかぼんぼん。


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