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□2.授業中に屋上で
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さっさと着替えてリビングで待つデザーム様の元へぱたぱたと駆けてゆく。転ばないよう細心の注意を払って。
デザーム様はスマートフォンを弄りながら「終わったか」と言った。はい、と返事をすれば行くかと立ち上がってさっきとは違う爽やかな笑顔を向けてくれた。

一緒に部屋を出ると、ガゼルにばったり合う。ガゼルは私達を見ると目を見開いて固まった。
私がおはよう、と言うと、叫び声を上げながら走り去ってしまった。朝帰りだぁぁとか叫んでいる。別にそんなんじゃないんだからね。


学園から出てキラーエージェントとかいうブ●ーマンの緑verの人の黒い車に乗る。私は助手席に乗っていく。

皆そわそわしている。私にはよく分からないけど、皆緊張しているらしい。キラーエージェントさんは「他人事ですね」と笑った。しょうがないもん。そういうことよくわかんないから。
子供だなーと我ながら悲しくなってきた。



「ねぇデザームなにイライラしてるの」
「してない」
「敬語は」
「チッ…」
「……(汗)」

舌打ちで見事にあしらわれたグランこと基山ヒロト。若干恐怖で震えている。狭い車内で隣同士。
デザームこと砂木沼治は、キラーエージェントの一人が優姫と仲良さげに笑っていることに苛立っていた。それに加えて年下に、縦の社会の勉強をしている真っ最中の、先輩に成り立てホヤホヤな中学2年生に「敬語は」なんて言われるもんだから苛立ちに拍車がかかったのだった。

一方一番後ろのシートではじゃれ合う阿呆二人。

「マッジッカッルバーナーナ!バナナといったらきーろっ!」
「きーろと言ったらバーナーナッ!」
「バナナといったらきーろっ!」
「きーろと言ったらバーナーナッ!」

のエンドレス。それは目的地まで続いたという…


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