もちろん授業もない。あるのはサッカーだけさ。とあざ笑う。誰にって、鏡の前で。 今日は試合観戦というプチデート。でもグランが怒るから普段通りのワンピースで向かうことにした。 失礼します、と男の声が扉越しに聞こえてくる。「はーい」と答えるとガチャ、と誰か入ってくる。 タオルで顔を拭きながら洗面所から出ていくと、チームメイトのミューが居た。目が合うと色白な顔を真っ赤にされる。今気づいた。ランジェリー姿だということを。 わたわたしながらミューはあうあう言う。 私は洗面所に体を入れ、顔だけ出した 「ごめんミュー!はいご要件を!」 「はっはい!今日はデザーム様とプチデートとメールを頂いたのですが!」 「私の前ではキャラ作んないでおkです」 「あ、そうですか、砂木沼さんとどちらへ…?」 「リュウジの試合見に行くの。残念ながら他3人も一緒だけど。」 「そうですか。ヒロトと晴也と風介も。」 「そう。試合が終わり次第すぐ戻るから、それまで自己練でも遊ぶでも何でもしててね!」 「わかりましたー!では失礼しました!」 ミューはそう言って部屋を出ていった。某不運単車乗りの様な「ふへぇぁあああ」という叫び声を上げながら遠ざかっていくのが分かった。 ふぅ、と息をつきながら洗面所から出ると、いつの間にか目の前にデザーム様。 「うわでざあああむさまぁぁああああ!!!!!」 その場に尻餅をつくと目の前のデザーム様は一瞬目を見開いてから口元を不気味に歪ませた。 そして私に覆いかぶさるようになって首筋に顔を埋めてきた。もちろん擽ったくないわけがなく、首をすくめるとそのまま抱き締められる。ひやりと首筋が冷たくなる。舐められたのだと感じる。 エロいな、と生暖かい吐息が耳を擽り、その後かじられる。 ヤバい、とすかさず胸を押し返すと、デザーム様は妖艶に笑っていた。 「さっさと着替えろ。」 「はぃ…」 「まぁそのままデートでも良いぞ。直ぐホテルに直行だ。」 「結構ですが!?」 デザーム様は冗談だ、と言ってリビングへ向かった。さっきはちゃんと見れなかったけど、後ろ姿やっぱりかっこいい。いや、どこから見てもかっこいいけどね。 . |