目が覚めると、男になっていた!!!なんてことは現実ではありえない。でも、ベッドの横、つまり床にはピンクの髪の綱海さんが転がっていてびっくりした。 とりあえずベッドから降りて綱海さんを起こした。 「綱海さん、どうしたんですか?大丈夫ですか?」 「ん、しろ…」 名前を呼ばれてぎょっとする。ひょっとして昨日の夜何かやらかしてしまったのだろうか、どう責任とってあげればいいのだろうか。嫁にもらうしかないのだろうか。なんて思考が頭を駆け巡る。 すると綱海さんがバッと起き上がって私に掴みかかって叫んだ 「うぎゃぁぁあ!?ど、どうしたんですか!?」 「大丈夫か!?お前生きてるか!?死んでねぇよな、幽霊じゃねぇだろうな!?」 「え、大丈夫です、生きてますよ!」 近すぎる綱海さんの顔を押し退ける。むにっとなった顔が面白い。 綱海さんはその顔のまま喋り出した 「ひょっとして、昨日のこと覚えてない?」 「昨日…と言いますと?多分覚えてません。綱海さんと一緒に帰ったところだけ覚えてます。それ以降の記憶はございません。なにかやらかしてしまいましたか?そうなんですか!?どうしましょう!」 「い、いや大丈夫だ!なんにもしてねぇから!」 「そ、そうですか…よかったー…」 「(何かしたっちゃしたけどな。ぜってー言わねぇ。)」 とりあえず一安心して頭を掻く。ピリッと痛みが手のひらに走った。 ああ、そういえば握り締めすぎて… 少し顔を歪めると、綱海さんが私の手のひらをぐいと引っ張った。 「これ、どうしたんだよ?」 「強く握りすぎちゃったんでしょう。自業自得ですね。このくらい3日で治りますよ。」 「いや治るわけねぇだろ。一回マネージャーんとこ行ってこいよ。そんで手当してもらえ」 「わかりました。ところで綱海さん、なんでここにいたんですか?」 「お前泣いてたから心配で寝れなかったんだよ。ここに来て監視してたら眠くなって寝ちまった。」 「監視!?」 「ああ。黒田の行動一つ一つが唐突すぎて心配になるんだ。これからは気をつけるよーに!」 「あ、はい」 綱海さんは私が返事をするとニカッと笑って立ち上がった。 そして一緒に食堂へ向かった。 . |