pure

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こうなることは予想してたさ。
私はただ冬花が居れば十分だったのに…なのに…

「がっっっっっっっっしゅく……」

大きなエナメルを背負って雷門中の前に立つ。家に居たい。でもそう言ったら久遠さんが許さんぞと脅したから仕方なくここに居るのであった。

「どうしたのしろ?早く行こう。」
「え、ああ。はい…」

渋々冬花について行く。そんなに嫌だ?なんてお母さんみたいなこと言われたから、おうちかえるーって駄々こねた。ナデナデされた。私はファービーではないのだぞ冬花。

部屋は各自に与えられているらしい。冬花はマネージャーと一緒。マネージャーだからね。ついでにマネージャーさんたちの部屋にお邪魔した。

「こんにちは」
「え、ああ、冬花さんね私は木野秋。よろしくね」
「私は音無春菜です!よろしくお願いしますね!」
「はじめまして。久遠冬花です。こっちは黒田しろ。」
「どうも…」

ああ、なんて可愛らしいんだ…女の子らしい。私なんて胸潰しでほぼAカップ状態。サッカーやるのに乳なんざいらねーやい!

「はじめまして!シュートかっこよかったですよしろさん!」
「ほんとほんと!あれって必殺技だったりするの!?」
「いやぁ、多分まぐれですよ。それに必殺技開花したことありませんし…」

嘘。実はネーミングに困っているだけなのさ。後で誰かに付けてもらおうか。

「そうなの?でも一人だけ息切れしてなかったし、しろちゃんってすごいんだね!」
「そんな褒めないでくださいよー。」
「あはは可愛ー」

女の子こえええええ!!すぐ可愛いって言っちゃうところこえええ!!よく見てくださいよ!!

「冬花、しろは…」
「お父さん、しろならここに」

そこへ花のJCとは全く違うオーラを纏った久遠さんが入ってきた。久遠さんは私を連行して食堂まで連れていった。

「昼食だ」
「あざーす」
「ここでは時間厳守だ。食事の時間もきっちり守れ」
「はーい」

久遠さんに指定された席に着き、置いてあった食事を食べる。

「(んなっ…なんだと…!!)」

食堂の、合宿所での食事なんて、そ〜●んだでクリスタル取り損ねた方の晩飯みたいなものなんだろうと思っていた。なのになんだこの美味しい食事は!!

感極まって昼食を貪ると、隣に不動さんが座った。

「よ」
「不動さん!これめっちゃ美味しいですよ!合宿なめてました!」
「は。そりゃよかったな」
「はい!」
「(ガキみてぇ。)」

もう隣の変な髪型の人なんて気にならないくらい美味しい。今幸せな顔になってると思うけど表情筋全て緩んでいる気がする。閲覧注意だ。



「不動、いつのまに黒田と仲良くなったんだ?」
「一方的な何かだろう。」
「異色のコンビだな!」

小声で何かが聞こえるけどスルー。そんなのも気にならないくらい美味しいのだ。


「ごちそうさまでしたー」
「ごちそーさん。」
「幸せですよ、私。」
「は。そりゃよかったな」

さっきと返しが同じ気がするけどあえてスルー。だってそんなこと気にならないくらい美味しかったんですもの!


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