pure

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「秋ちゃん、秋ちゃん」
「なぁに?」

食堂で片付けをしている秋を追い回すしろ。食後のメンバーは不思議そうにその光景を見ていた。

「なんか…犬みたいだな」
「ああ。」
「何かあったのか?」
「洗脳されたとかね!ウッシッシ!」

風丸と鬼道は呆れながらも洗脳という言葉がしっくりきていた。
もう本当に犬のように付いて回るしろ。しかも極上の笑顔で話しかけていた。

「お手伝いしますよ!」
「いいの?選手なんだからしっかり休まないと…」
「いえ、11時にならないと眠れないので!」
「そう、ならよろしく!」
「はい」

ジャージを腕まくりし、食器を洗うしろ。意外な一面だ、と鬼道をはじめとするイナズマジャパンメンバーは面食らっていた。





「木野」
「鬼道くん、どうしたの?」

しろに帰っていいよ、と言い、しろを大人しく部屋に帰らせた秋は、春菜と冬花と食器を拭いていた。
鬼道が部屋に帰る際に木野を呼び出した

「黒田に、何か聞いたのか?」
「何かって?」
「やたら気に入られたじゃないか。」
「ああ、しろちゃんの話を聞いてあげたの。」
「話し?」

うん、と秋が頷く。
聞けば、悩み相談を受けたら懐かれてしまったというのだ。話の内容はチームに馴染めず、モチベーションが上がらないという内容だったらしい。

「そうか。」
「うん、でもどうして?」
「…黒田はどこか影があって、俺はそれに近寄りがたいんだ。何か悩みを抱えているとか、過去に何かあったとか。そういうのを教えてくれさえすれば、もっとチームに馴染めるんだろうな。」
「……そうね。」
「話はこれだけなんだが…ありがとう」
「ううん。しろちゃんをよろしくね。」
「こちらからも言っておこうか。黒田をよろしく」

一見しろの押し付け合いだが、両方とも彼女を譲る気なんて無かった。



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