（多分、FWじゃないから滅入ってるだけなんだよ。私。よし、応援しようじゃないか。） ベンチから立ち上がり、また久遠さんの横へ立つ。 「大丈夫なのか。」 「はい。今度試合に出してくれるときは、FWでよろしくお願いしますね。」 「……きっとな。」 「ケチ。」 相手チームからのスタート。 二人でドリブルするちょうど真ん中を虎丸くんが突っ切って、華麗にボールを奪った。 それから豪炎寺さんにパスしたが、シュートは止められてしまう。 なかなかやりますな、ジーンさん。 そして、綱海さんが暴走した。 「あ、必殺技」 ちょっとだけ、ときめいた瞬間だった。 それから互いにヒートアップ。打てば取られ、奪えば打たれる。 円堂さんが止めたボールが、綱海さんに渡る。 「綱海さーん！！」 「おう！」 そして決まったシュート。歓声が沸き起こり、私もその場でぴょんぴょんせざるを得なかった。誰かにこの感動を伝えたくて、冬花に抱きついた 「やった！やった！同点！」 「うん！」 「監督！！」 「…？」 座っていた鬼道さんが、いきなり久遠さんに桜咲木中のことを聞いた。 久遠さんは案の定、「お前が知る必要はない」と言った。 そこへ響木さんが来て皆に説明し出した。 私は聞く必要がない、と思って久遠さんの横へ行った。 . |