護国舞姫の剣

□おまけ1#Soon become an adult
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 目が覚めると側に誰かがいる。
 それが当たり前になるのはとても問題ではないだろうか。

「Good Morning, honey」
「……ほあぁぁ……、おはよ」

 大口開けて欠伸をする私を見ながら、伊達は柔らかく笑う。
 それこそ、妹でも見る目なのだと思っていたのだが。

「ハニィって、どういう意味?」
「Ah?そうだな……」

 あ、これはからかう時の目だ。

「アンタとか、そういうのと同じだ」
「嘘!絶対、別な意味があるでしょ」

 伊達は小さく舌打ちする。

「勘が良くなったな」
「そんだけ、藤次郎が私をからかうからでしょ」

 あれから、私は最初に出会ったときのようなぶっきらぼうな言葉でも、片倉と話すような丁寧な言葉でもなく、里にいたときのような幼い物言いが増えてしまった。
 それというのも、伊達や他の者達が私を子供扱いするからだ。

「Umm…… cleverになったな、葉桜」

 意味はわからなくても、子供扱いしているのはわかる。

「そうやって、子供扱いして!」
「大人として扱ってほしいのか?」

 そういうと、急に伊達は私を抱き寄せた。
 ちゅっ、と音を立ててこめかみに唇をよせ、それから額、まぶたの上、頬、と降りてきて。

「ちょ、ちょっと、どこ触って……っ」

 接吻に気を取られている間に、下から掬い上げるように私の胸を撫で回して、むにむにと揉み始める。

「大人として、扱って欲しいんだろ?」

 唇の端をぺろりと舐められ、足に固いものが押し付けられて、一気に顔が熱くなる。

「あ……うあ……こ、子供で、いい、です……っ」

 強弱をつけて胸を揉まれて、形が変えられると気持いいような擽ったいような、変な気分になる。

「Don't hold back.(遠慮するな)」

 耳元で囁かれると、ぞくりと身体中が痺れるようだ。

「ん……やぁ……っ」

 私の眦を生理的な涙が流れ落ちると、伊達はそれを舐めとって、ようやくやめてくれた。

「Sorry, 急ぎ過ぎたな」
「藤次郎の馬鹿ぁ」
「OK,OK.後で、葉桜の好きなもの買ってやるから、機嫌直せ」

 ただ抱きしめて、ぽんぽん、とリズムよく叩いてくれる伊達に、先ほどされたことも忘れて安堵した私はそのまま眠ってしまったのだった。

 あれから時々だけどこうされるのは気持よくて、でも、その先が怖い。
 だから、ごめん、と私は小さく小さく、伊達の広い胸の中でつぶやいた。



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