黒バス

□ずっと君を…
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『ねー敦、敦は生まれ変わりって信じる?』

私が後ろから抱きつくと、途切れることなくお菓子を食べていた敦がふと手を休める。

『んー、よくわかんないかも。なまえちんは?』

『私は信じないかなぁ』

敦は悩みもせずに言い切った私を面白そうに眺めた。

『なんで?』

『なんで、って……特に理由はないよ。無い気がするってだけ』

『でもさ、生まれ変わりたいって思わないの?』

『え、あぁ……どうだろ……』

生まれ変わったらどうなるのか。

それが問題なのだ。

『……ねぇ敦。生まれ変わったら今大切な人に会えると思う?』

『さあ〜。でも赤ちんとか会ってみたいかも』

ねぇ敦、なんで私の名前が最初に出てこないの。

まあ確かに赤司の来世とか気になるけど。

厨二病は治るんだろうか。

…無理そう。

違う、そうじゃなくて。

『私は敦と会いたいなぁ』

『俺と?』

『嫌だ?』

『ううんー。でもなまえちん、会えないかもしんないんでしょ』

『うん。あと、今の自分達とは違う人格かもしれないよ』

『でもなまえちんはなまえちんだし』

私は思わず敦を抱きしめる腕に力
を込めた。

ありがと敦。

『……でもさ。結局会えるかはわかんないし、そもそも生まれ変わるかもわかんないよ?』

『ん、そっか。じゃあ今のうちにずーっと一緒にいればいいじゃん』

敦は私の手をそっと解いて、そのまま握りしめてくれた。

来世に期待なんかしない。

敦と会えない可能性が1%でもあるなんて、私は嫌だ。

『じゃあ期待してるね』

そう言って見上げれば、いつものように敦は頷いた。

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