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□問い
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「旺季様!」
「皇毅?!お前、どうしてここに………馬はどうした?」
旺季様の言葉に、
ぐ、と詰まる。
しまった……忘れていた…。
そんなことが頭からぬけるとは…思った以上に取り乱していたらしい。
なんで私が、ただの他人である行き倒れの女ごときで……
「、…………置いてきました…すみません。それより、女が一人、倒れていて…」
「なんだと?!それを早く言わないか!」
一瞬にして旺季様の表情が変わる。
「もうすぐに暗くなる。この寒い中にいたのなら、衰弱が激しいだろう。…急いで戻るぞ皇毅!」
「はい」
二人は、降り続ける雪をものともせず来た道を戻りはじめた。