::

□始まりの日
1ページ/7ページ







ふわり、





ふわり








舞い降りる真っ白な雪の華。






寒いはずなのに、
何故か身体は寒さを感じずに

ただ、ぼんやりと空から舞い降りてくる華を眺めていた。







何故……


そう、何故。


私は、此処にこうして居るのだろうか?









『―――……』


『――ね――…』











何か…

何かを、忘れているような感覚。




一体、何を?




わからないけれど……大切な、何かを。









嗚呼、それにしても。


なんて美しい雪の華だろうか。


そんなことを、またぼんやりと考えた時。





何かが、いや、誰かが近づいてくる音を感じた。






「おい!大丈夫か!?」






覗き込んできた人の顔を認識する前に、


私の意識は、闇に沈んだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ