□身長差
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あいつはいつも俺を見下ろす…



身長差があり過ぎるっていうのが原因なのは知ってる


でも気に食わない…


俺を見下ろす奴なんか大嫌いだ…








『なぁなぁ、サソリちゃん』

今日も飛段は俺に話しかけてくる
しかし俺は無視して歩く



今日はデイダラの野郎が単独任務で
俺は仕方なく飛段と任務をしてその帰りだ


あいつの変な儀式のせいで帰る時間が2時間も遅れてしまった


俺は待つのが嫌いなのに…

それでイライラしてんのに
あいつはぺちゃくちゃと話しかけてきてさらにイライラする



角都の奴…よくこいつと一緒に任務行けるよな…
あいつ短気だった筈だが…


『サソリちゃんってば!無視すんなよ!』


無視されたのが嫌だったのか
飛段が俺の前にふさがった

俺を見下ろす桃色の瞳
それがムカついてキッと飛段を睨む


『退けろ…俺は早く帰りてぇんだ』


『今日は機嫌悪いなぁ…何かあったのか?』


お前のせいだろ…
そう思ったが口に出すのが面倒くさくて
飛段を押し退けてまた歩き始める


『…』

『…』


無言の中で歩く道は長く遠いような気がした

ヒルコに入ってくるべきだった
こいつが後ろにいると思うとまたイライラしちまって

帰ったらリーダーに抗議しち行ってやる…





ずるっ



『!!』


『あぶねっ!』


そう考えいたら任務で仕掛けたトラップだろうか
いきなり俺の足元に地面がなくなり
落とし穴に落ちそうになった…



『大丈夫かよ…サソリちゃん…』


『…!』


だが間一髪で飛段に救われ
俺は飛段に抱き抱えられる形で木の上にいた

『おろせよ』


『痛っ!おいサソリちゃん暴れんなって!』


こいつに抱き抱えられてるこの状況が許せなくて
俺は思いっきり暴れる


しかし飛段は離さねぇ
離しちまった方が楽なのに…何で離せねぇんだ…


『もしかしてサソリちゃんって高い所苦手とか?』


『はぁ!?んな訳ねぇだろ!ふざけん…!』


飛段がおかしなことを言うから
反論しようとしたがその前におろされたから俺は何も言わなくなった


『高い所苦手なら早めに言えよな』


『だから違うって…!』

何を言ってもはいはいと
子供をあやすように接してくる飛段にまた怒りを覚えて俺は先を急ぐ


ぐいっ

『!』


『待てってサソリちゃん…何でさっきから俺を無視するんだよ』


俺は腕を掴まれ無理矢理飛段の方を向かされた

『俺の勝手だろ…』

『せめて返事位はしろよ…何か俺悪くことしたのかよ…』


見下ろされる視線…
みくだされてるようで…イライラする…

『お前の…その目が気にくわねぇんだ…』

『目…?』


『見下す…その目が…』


『…』


『!』


これだけ言えばバカなこいつにもわかるだろうと思っていたが
こいつは離す所か俺を抱き上げてきやがった…



目の前にはいつも見下されてる飛段の顔がある
こいつ…こんなかっこいい顔だったかな…


不覚にもどきりとしちまった…


『ほらよ…これで見下してねぇだろ?』


『…』


『顔が赤いぜーサソリちゃん』


『う、うるせぇバカ!おろせよ!!』


『あんだよ…見下されて嫌だとか同じ背丈にしたら今度はおろせだとか…たくっわがまま姫だなぁ』


『誰が姫だ!いいからおろー…っ!』

あいつの顔面を思いっきり殴ってやろうとか思っていたら
いきなり飛段の顔が目の前にあり
唇に温かい感触を感じた


まさか俺…飛段と…


『…やっと静かになったなぁ…わがまま姫』


『っー…!!』

ぺろりと舌を出して意地悪っぽい顔をしてくる飛段に
顔が一気に熱くなったような気がした



『俺さ…ずっと前からサソリちゃんのこと…好きだったんだぜ…その好きな子に無視されたら…辛いじゃねぇかよ…』


『…俺は…お前のこと嫌いだ』


『今から惚れさせてみせるよ』


そう言って飛段は俺を抱き抱えたまま歩き始めた


惚れさせる…?
俺がお前にか…?


笑わせんな…俺はお前のことなんて…

なんて…


おかしいな…今までの嫌いって気持ちはなくなってる…


見下されてない…面と向かってみた飛段の顔が忘れられねぇ…


核が…熱い…





俺が飛段に恋していたことに気がついたのは
もう少し先のお話…




何年か前に書いたまま放置していた飛サソ文があったので手直ししてもっそりと出してみたり…
今じゃもうこんな甘いのは(羞恥心が邪魔をして)書けません
自分で書いといてあれですが砂を吐きたくなりました(*´¬`*)
読んでくださりありがとうございました!

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