□願い
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1年に1度しか会えない…
7月7日…今日がその日である


1年間会いたくても会えなくてサソリはずっと泣いていた
その涙が天の川になりさらさらと夜空を流れる


ずっとずっと待ってるのに
来てくれない…
早くしないと日付が変わってしまう
そうするとまた1年間会えない

早く会いたいよ…

サソリはまたぽろぽろと涙を落とす
その涙が溢れ天の川を作る

『旦那…待たせたな…うん』

声をする方へ振り返るとそこには
ずっとずっと会いたかった人の姿があった

『っ…デイダラ…』

『また派手に泣いたなぁ…今年もでかい天の川作ってるじゃねぇか…うん』

『うぅ…早く迎えに来いよ!このクソ髷!』

『痛っ!おい旦那殴んなって!』

『俺が待つの嫌いなの知っててわざと遅れただろ!!』

余程寂しかったのであろうか
サソリはデイダラの胸を思いっきり叩く

『少しでも…長く…デイダラといたいのに…遅れやがって…ひっく』

『…』

また大粒の涙を流し始めたサソリを
デイダラはぎゅっと抱き締めて頭を撫でなだめる

『ごめんな旦那…ホントごめん…』

『ひっく…うっ…』

『これ作ってたら…遅くなっちまったんだよ…うん』

『…?』


そう言ってデイダラはサソリの手をとり左薬指に銀色の指輪をはめた


飾りもなにもないシンプルなデザインだったが
光りを当てる度にキラキラと輝いていた

『…これ』

『やっと許しがでてな…旦那にこの指輪…渡せるようになったんだ』

デイダラはサソリの小さな手を包み込みまた強く抱き締めた

『旦那…オイラと…結婚してくれねぇか、うん』

『……!!』

その瞬間サソリの大きな目が見開かれ
涙が止まった

『その指輪は…天の川の星屑から作ったものなんだ…もう旦那にその涙は流させないから…』

デイダラはそう言うともう1つの銀色の指輪をサソリに手渡す

『…オイラにもはめてくれよ、旦那』

『っ…うん』

指輪を受け取りデイダラの左薬指に指輪をはめる
2人の指には同じ指輪がきらりと光る

『暁の指輪は…お互い違う指にはめてるけど…これは同じだな、うん』

『あぁ』

デイダラは右手人差し指に
サソリは左手親指にそれぞれ暁の指輪をしていたが
この指輪は2人一緒の指でキラキラ光る

『ずっと ずっと一緒だ、旦那…うん』

『あぁ…』

もう離れることはない
これからはずっと一緒だよ

綺麗な天の川の中2人は永遠の愛を誓った

2人の薬指についている指輪がキラキラと星屑が溢れ
その光が2人を祝福した



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