□星に願いを
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『はぁー…』

『サソリ…どうした…ため息なんかついて』

俺がぼーっと窓の外を眺めながらため息をついてると角都がはなしかけてきた

顔はこっちを向いているが
目は札束の方を見ていて数えていた
あいつの回りには相変わらず札束が置かれていて
毎日よくやると感心する

『いや…別に』

『デイダラのことか…?』

『っ!?』

いきなりこいつは何を言いだすんだ
あまりに驚いて俺はがたっと立ち上がり椅子をひっくり返した

『図星か…お前はデイダラが任務に行くとため息ばかりついてるからな…』

だてに歳をとってねぇってことか…
相変わらずカンが鋭いな…

『ただいまーうん』

『!!』

『…デイダラが帰ってきたな』

任務から帰ってきたデイダラが間の抜けた声をだしながらリビングへ入ってきた

『…デイダラ』

『おぉ、旦那!帰ったぞ、うん』

そう言いながら
にっこり笑う顔が眩しくてどきりと鼓動が早くなる

『旦那ぁー、任務でケガしちまったから治療頼むよ…旦那?』

『あ…?…っ!!』

はっと我に返ると心配したのか
デイダラが俺の顔を覗きこんでいた

顔が…近い…

『顔が赤いが大丈夫か旦那?』

『っ…!大丈夫だっ…』

恥ずかしくなってきて俺はデイダラに背を向けて薬を取りに行く


俺は…デイダラのことが…好き…なのかもしれねぇ…

感情なんてとっくの昔に無くしたと思っていたのに
この気持ちは何なんだろう…


この気持ちが自分ではわからないから前に小南に相談してみたら
それは恋だと言われた…

俺が…デイダラを…?

小南にそう言われてから
俺は今まで以上にデイダラを意識し始めた

今じゃあいつの顔
まともに見れねぇ…




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