声優BL

□これからの二人〜下野視線〜
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付き合い始めて一ヶ月。

今日は記念日という事で、梶くんから食事に誘われていた。


梶「下野さん……遅いな……。」

下野「梶くん!!」

梶「下野さん!!」


梶くんは俺を見るなり、すぐに抱き着いてきた。
真冬の中待っていてくれたらしい。
梶くんの体が冷たかった。


梶「中に入りましょう。席、ちょうど用意したとこなんです。」

下野「ありがとう。」

梶「はい。」


梶くんは俺の手を引き、席へ案内した。
個室で静かな部屋だった。
俺は近くにあるストーブにあったまりながらメニューを見た。


梶「下野さん。まずは仕事の後なんで、ビールで乾杯しましょう!」

下野「今日は俺だけが仕事だから大丈夫だよ。」

梶「いいんですよ。あ!すいません!生二つお願いします!」


店員さんにそう言って、ビールで乾杯した。


梶「では…乾杯!!」

下野「乾杯!」

梶「うまい!!」

下野「梶くんは今日一日何してたの?」

梶「えーっと…内緒…です!!」

下野「え?内緒ー?教えてよー!」

梶「ダメですよー。」


梶くんは「内緒!」と言ったきり今日の事は言わなかった。


梶「そうゆう下野さんは今日どうでした?収録は。」

下野「まぁまぁかな。明日はアニぷらの収録らしいし……。スケジュールがいっぱいだよ。」

梶「仕事があることはいい事じゃないですか!俺も仕事がありすぎて大変ですよ。でも、それはファンの人達が応援してくれての結果がこれだから出来るんですよ。俺はファンに感謝してますよ。いつもそばで支えてくれる下野さんにも感謝してますし。」


そう言ってビールをぐびぐびと飲み、ついには飲み干し、もう一杯頼んだ。
きっと疲れてるんだな…と俺は早くも気づいた。


下野「今日泊まりに行ってもいい?」

梶「はい!いいですよ。しらかってますけど!」

下野「それは全然構わないよ。それより…酔ってる?大丈夫…?」

梶「なんかフラフラす………る……。」


梶くんはそのまま横になり、寝てしまった。
仕方が無く、食事を中断し、梶くんの家に向かった。


梶「むにゃむにゃ……。」

下野「梶くん。家着いたよ。起きて。」

梶「………。」

下野「はぁ………。仕方ないな……。鍵どこだろ?」


俺は梶くんの服のあらゆる場所を漁った。
そして鍵を見つけ、中に入った。


下野「っしょっと……はぁ……。ベッドに寝かせとけば大丈夫だよな。……俺はソファーとかで寝ようかな……。」


立ち上がろうとした時、梶くんが目覚め、俺の腕を掴んだ。


下野「梶くん…起きたの?」

梶「下野さん……。」


ちゅっ………


梶くんが寝ぼけた顔をしながら俺にキスをした。


下野「っん……どうした?」

梶「下野…さん……。行かないで……。」

下野「行かないから。だから今日は寝よ?」


そう言ったが梶くんは、いっこうに言う事を聞いてくれなかった。


梶「下野さん………下野さん。」


梶くんは俺の名前を何回も呼んだ。


下野「大丈夫。いなくならないから。ね?」

梶「っく…うっ……。」

下野「よしよし……。」


俺は泣いてる梶くんを、そっと抱きしめて頭を撫でた。


梶「一緒に…寝てくれますか?」

下野「ん……いいよ。」


迷わず俺は梶くんの隣に来て寝た。


梶「あったかい……。」

下野「今日は寒かったからな……。」

梶「うん………。」


ぎゅっ


梶くんは離れないでと言うかのように強く抱きついた。
俺はそれに応えるように強く抱きしめた。


梶「スー…スー…。」

下野「梶くん…何かあったのかな。辛そうだったし……。」

梶「…スー………。」

下野「かわいいな…。」


俺は梶くんの頭を撫でた。
すると梶くんが俺にキスをしたまま上に乗ってきた。


下野「か、梶くん!?」

梶「ずっと…ずっと我慢してきたんです。だから…もう………。」


そう言って俺の服を脱がし始めた。


下野「ちょっ!?」

梶「黙っててもらえますか……?俺…今すごく機嫌が悪いんです。」

下野「んでだよ…!?」

梶「この前…俺、下野さんと一緒の仕事をした後食事に行った時…下野さんと他の男と仲良くしてるのをみてイラついたんです。こんなにイラつくの……初めてですよ………。憎たらしいくらい……!!」

下野「あれは仕方ないだろ!?アイツが俺に近付くから………。」

梶「何で離れようとしなかったんですか…?」

下野「そんな事したら失礼だと思ったから…。」

梶「俺の気持ちも考えずに……卑怯ですよね………下野さんって……。」

下野「……ごめん。梶くん………。悪気は無かったんだ……。」

梶「悪気があってやったんなら…こんなふうにしてませんよ。」

下野「梶く…んっ!!」


梶くんはそう言って、キスをした。


下野「ふぁっ…梶…く……ん…ひぁ!!」

梶「俺のものでいてほしいのに………。ひどいですよね…下野さんって………。」

下野「そんな……こと…な………い…!!」

梶「どこがですか?」

下野「そ…それは……あっ!!」

梶「そうやって喘ぎ鳴いてればいいですよ……。今日は俺が満足するまでやってもらいますからね?」

下野「ふっ……ん…。」


それは夜中過ぎ辺りまで続いた………。
翌日。
俺は梶くんより早く起きた。
今日も収録で忙しい為、急いで着替え、家を出ようとした時、梶くんが服を着た状態で後ろにいた。


梶「もう…行くんですか?」

下野「うん……。また来るよ。」

梶「約束ですからね?」


昼間の梶くんと夜の梶くんとは、まるで別人。
だけど…梶くんは梶くん。
本人なのには変わりは無い。


下野「じゃぁ行ってくるね。」


ちゅっ


梶「はい。下野さん…今日も泊まりますか?」

下野「じゃぁ…今日も泊まってこうかな。」

梶「よかった。じゃぁ待ってます。」

下野「うん。」


そして俺は収録をしたあと、梶くん家に向かった。
今日もまた梶くんは外で待ってくれているだろう。
そう思うと毎日が楽しみだった。

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